宿敵との再々々戦 ついに決着 ブリオベッカvs栃木シティ

地域チャンピオンズリーグ(地域CL) 決勝ラウンド最終日

開催地の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場は、風があるものの 秋晴れの好天に恵まれました。

地域リーグからJFLへ昇格チームが決する「運命の日」

ブリオベッカ浦安は、午後の試合で栃木シティと対戦します。今季の対戦成績はリーグ戦が1勝1敗。全社3回戦(準々決勝)は、ブリオベッカが歴史的勝利。この地域CLで4回目の対戦となります。

午前の試合 沖縄vs刈谷

2試合開催される試合のうち、最初に行われたのは沖縄SVvsFC刈谷

この試合結果が、ブリオベッカのJFL昇格条件に大きく関わってきます。

おれは緊張感をもって観戦

することはなく、ピッチから死角になりそうな場所 かつ 日なたでうたた寝をしました。

しかし、沖縄SVが2点リードしたときに目覚めました。

この試合で沖縄SVが2点差以上で勝つと、ブリオベッカは午後の試合で引き分けでも3位以下(昇格できない)となるためです。

このころから、浦安ファンや第三者(フラットに近い立場で観戦に来たサッカーファン)と話をし始めます。

おれは、「点を取って勝つのがサッカーです」というセリフを20回は言ったはず。

個人的には、「点を取って勝たなければ、昇格への道が断たれる」状況を

この1カ月ちょっとの間に2回経験しています。(全社の1回戦~3回戦 と 地域CL1次ラウンドの福山シティ戦)

今さらジタバタしてもしょうがない。という心境でした。

結局第1試合は、沖縄が4ー0で快勝。

沖縄SVはJFL昇格を勝ち取り、歓喜に湧きました。

その歓喜が解けた後、浦安のベンチ外選手&ファンが、強風に苦労しながらも横断幕を掲出します。

今にして思えば、いつもは冗談を飛ばしながら(背番号に掛けて過去に在籍した選手を連呼したり、第2種のとき全国大会優勝経験のある選手をはやしたてたり)作業をするのですが、この日は全くありませんでした。

対戦相手の栃木シティは早いタイミングで横断幕の掲出を完了。ブリオベッカは時間が短かったので、選手入場5分前に掲出が完了。ギリギリでした。

息つく間もなく、選手入場を迎えます。

浦安ファンと50人近い育成組織の子どもたちは、応援ボードを持って一体感を高めます。

前半開始~ハーフタイム

浦安は勝利しか許されない状況。栃木シティは引き分けでもOKなのですが、栃木は勝ちにきていることが伝わる出足。

しかし、栃木はファールが非常に多かったです。コンディションがイマイチである可能性もあります(思い切りよいシュートを打てる室崎が2試合連続ベンチ外。この夏に山雅から移籍してきた表原も同様)(ブリオベッカは、福山シティ戦で殊勲の出来だった林容平がベンチ外)。

栃木は「少し」動きが重いように感じます。おれにとっては、1カ月前の全社3回戦のような絶望感のある立ち上がりではありませんでした。

ブリオベッカは、全社のときより栃木対策が周到でした。前線の村上弘有と秋葉勇志のハードワークが光ります。ピッチ中央に君臨する工藤浩平のまわりにいる選手(岡庭と加藤)にいい形でボールを受けさせず、俗にいうクサビのパスを入れさせないことに成功。橋本龍馬が、いつも通りいい仕事をしています。

ブリオベッカは「いい守備」ができていました。しかし、「いい攻撃」はできず。地域CL決勝ラウンド2試合で1得点なので、セットプレー以外はチャンスらしいチャンスがなかったです。

この時間帯の応援席は楽観的でも悲観的でもなかったです。声出し応援はNGだったので、鳴り物を使った応援をしましたが、栃木がボールを握っているときは妙な緊張感がありました。育成組織の子どもたちは、良くも悪くもおとなしかったです。

そんな雰囲気が変わったのは、前半30分を迎えようとしたとき。

ブリオベッカは中盤の底でボールを奪われ、ショートカウンターを喰らいます。

決定的なシュートを打たれましたが、GK谷口がファインセーブ。ゴールライン際に弾く(若干の)余裕がありました。頼もしい限り。

その直後、コーナーキックのチャンスを得ます。キッカーの伊川が蹴ったボールはクリアされますが、PA内でブリオベッカの選手が反応。ボレーでシュートを打ちます。そのボールは、栃木GK原田の手をかすめゴールネットに吸い込まれました。

ブリオベッカ浦安先制。決めたのはIJこと伊藤純也。

エレクトリカルパレードの太鼓に合わせて、ファンも育成組織の子どもたちもノリノリ。

スネアを叩くファンは、柏レイソル時代の伊純也のチャントを口ずさみますが、なぜか後藤準弥と言っていました。落ち着きがなくて可愛らしい様子を見たおれは大爆笑。

試合は少し落ち着きましたが、前半40分ころに栃木がセンターバックを交代。アクシデントだと思われますが、交代回数が残り2回になったことを考えると痛いといえます。

残り時間は栃木が攻勢を強めますが、ブリオベッカは決定機をつくらせずに前半終了。

ハーフタイムのときの応援席は、今までの試合(8年間)の間で最も静か。無口。

声出し応援するファンは、気持ちが入り込んでいました。1時間後には、昇格か否かの結果が出る状況を前に、おれは少し緊張していました(全社のときは、栃木の出来の素晴らしさにショックがありました)。

後半開始~試合終了

交代回数にはカウントされないハーフタイムで選手交代も予想されましたが、両チームともなし。

意外に思いつつ応援を始めた直後、浦安の大砲がぶちかまします。

パス交換から敵陣右サイドでボールを上手く受けた伊川。ちなみに、伊川が右サイドの攻撃的MFとして出場するのは、vs栃木4試合目で初。

伊川がクロスを上げた先 ファーで待っていたのは秋葉。ヘッドで中央へ折り返します。

左右に振られる形になった栃木DF陣の対応は明らかに遅れます。

ゴール至近で待ち構えていた大砲は、余裕を持って左足を振りぬきます。

豪快にネットを揺らします。

決めたのは、村上弘有。これで2-0。

浦安応援席目の前で決まったゴールに、ファンも子どもたちも大興奮。エレクトリカルパレードも大いに盛り上がります。

なのですが、おれの頭の中は「?」マークがあふれていました。栃木は、全社のときより弱くなっているように見えたからです。

それを栃木シティの今矢監督も察知したのか、この直後に3人を交代。残り交代枠を1人だけにしてでも大幅な修正を図ります。中央を封じられている状態のため、サイドからの突破を狙う意図が見えます。

ブリオベッカは、この交代への対応として左サイドバックに大卒ルーキーの飯澤を送り込みます。スピードに特長のある選手です。

この交代が功を奏し、試合内容は停滞。栃木シティがミドルシュートを打つ場面もありましたが、枠を捉えることができず。ブリオベッカ応援席は、緊張感よりも活気が出始めます。

しびれを切らしたか、後半20分過ぎに栃木は最後の選手交代を断行。工藤浩平に代えて全社でゴールを決めた 高さバツグン のFW戸島を出してきます(ブリオベッカが引きずり出したという見方もできます)。

そして、ブリオベッカも2人を交代。前線でハードワークし続けた秋葉と先制ゴールのIJに代えて、上松瑛と藤岡を入れます。チームを落ち着かせる役割はもちろん、相手のセットプレー対策でも効果的。子どもたちは、自分たちのコーチ(ようコーチ)がピッチに出てきたので、歓声が湧きます。

予想通り、栃木は前線へロングボールを送り始めます。西袋や笠嶋を始めとした守備陣が体を張り、決定機をつくらせません。

しかし、栃木FW吉田が地上戦(ドリブル)でPAへ侵入したところへ ブリオベッカの選手が寄せきれずゴールを割られます。1点差。

栃木応援席は盛り上がり、ブリオベッカ応援席は焦り始めますが、ピッチにいる選手たちは冷静でした。円陣を組み、栃木の地上戦対策を確認します。

栃木は、手を変え品を変えPA内への侵入を狙いますが、ブリオベッカは上手くかわします。敵陣でボールキープすることは難しくなりますが、決定機をつくらせない守備は見事。

ブリオベッカ応援席は、かつてない緊張感(当社比)となります。この時間帯は、「楽しい」要素が皆無でした。

後半35分過ぎ、ブリオベッカにアクシデント発生。途中から入った藤岡が接触により足を負傷。その場からピクリとも動かず担架に乗せられる様子から、大怪我であることが分かってしまいました。

藤岡の状態は気になりますが、本人のことを思うと、この試合での勝利が何よりも重要。

ブリオベッカは、すぐさま最後の交代を行います。藤岡と村上弘有に代わって、井上翔太郎と石原大樹が入ります。

その直後

敵陣で交代直後の井上翔太郎が体躯を活かしてボールをキープ。このとき、栃木のDFラインはバラつきがありました。それを見逃さず、前線へ駆け上がる1人の選手。

そこへ、見事なボールが入り、その選手がピタリとボールを納めます。

栃木GK原田のポジションを見極め、迷うことなく右足でシュート。浦安応援席目の前のゴールネットが揺れます。

ようコーチこと上松瑛が、過去最大の歓喜を浦安応援席にもたらしました。

ファンは、エレクトリカルパレードを絶叫。コーチがゴールをあげたので、子どもたちが大喜び。

後半40分過ぎに2点リードとなり、勝利(昇格)が大きく近づきます。

浦安応援席は、勝利を確信し始める人もいましたが、おれは懸命に落ち着くように促します。

選手交代を終えたブリオベッカの監督は、自分の役割を分かっていて、チームを鼓舞。

栃木シティのスローインの位置が3メートルずれていることに対し、主審へ猛抗議。中日ドラゴンズを率いていた星野仙一を連想させるほどの熱量でした。監督からは「おれが先頭を切ってチームを盛り立てる」気概を感じます。

後半は45分を過ぎ、ATは7分の表示。これ以降、応援席は1分おきくらいに「残り何分?」の声が聞こえてきます。おれは、ハードワークする選手を応援するように、落ち着くように促します。

明治安田生命Jリーグのチームの中で ベガルタが好きなおれは「残り1分で2ゴール」を上げた伝説も知っていたからです。

栃木は決定機を作れないまま時間が経過。

ATが6分台半ばになったところで、おれは勝利(昇格)を確信。応援席がカウントダウンモードに入ります。

直後に、主審が両手を天高く上げてホイッスルを吹きます。

ブリオベッカ浦安 地域CL優勝

JFL昇格内定

試合後

おれは、全社で栃木を撃破したときよりも 落ち着いていました。

すぐに、スネアを叩き続けたファンと握手し、他の声出しファンとも握手やグータッチ。

選手が応援席へあいさつに来て、喜びを爆発させます。ラインダンスという単語も聞こえてきましたが、表彰式開催のため一時解散。このとき、おれは谷口のおっちゃん(球団代表)と少し話をします。「球団所有の横断幕1枚を引越しして、応援席前で記念撮影」する段取りを確認。

全社で栃木に勝ったときの記念撮影時、谷口のおっちゃんは写真を撮影する側でした。

表彰式が行われている中、横断幕を引越し。

その後、声出し以外の浦安ファンに応援席へ来てもらうよう声かけをします。

表彰式が終わり、ブリオベッカは優勝&昇格の歓喜の宴を再開。このとき、スタジアムのBGMは「We are the champions」でした。とても粋な計らいです。

名将都並を胴上げします。

4チーム総当たりのステージの最終戦。勝ち以外許されない状況で勝ち続けている(vs福山 &vs栃木)ことから、3日後のスペイン戦で日本代表監督に就任するとかしないとか。

続けて村田コーチや長谷川コーチも胴上げ。

それが終わった後は、記念撮影。志布志と鳴門へ行っただけですが、本当に感慨深かったです。

この撮影が終了したとき、スタジアムアナウンスは「以上で地域CLの全日程を終了します」と言っていたので、おれはひとりで幕を回収しにいきます。

橋本龍馬や名称都並が、ファンや子どもたちへあいさつしている声も聞こえてきます。ひとりで幕を片付けている間、「来年のホームスタジアム問題」が頭をよぎります。

この時間帯、警備の方やスタジアムボランティアは残業している状態。

スタジアム内での宴が終わり、みんなで幕を回収し、そそくさとスタジアム外へ退出します。

スタジアムの外へ出ると、第三者として来ていたサッカーファンから祝福してもらったり、冷やかしを受けたりしました(リーグ戦は5勝6分7敗 18試合で勝点21)。全社は4勝1分。地域CLは5勝1分。

熊谷で忘れがたき思い出を作り、

ファン相乗りの車で浦安へ帰りました。

1日経った今は、夢見心地球団の資金の不安ホームスタジアムの不安が交互に押し寄せています。では。