ブリオベッカは開幕5試合で勝点5
開幕ダッシュができない状態で、優勝候補筆頭 ヴェルスパ大分とのアウェイゲームに臨みました。
大分空港に到着
試合当日朝 大分空港に到着
すぐにバスで別府へ向かいます。
フィリピン セブ島に行ったこともあり、疲労回復を兼ねて堀田温泉へ

露天風呂もあり、ほのかに硫黄の匂いもする湯でした。
海外遠征の疲れは、次の遠征で癒す。
温泉に浸かってから、スタジアムに向かいます。
この日 試合が行われるのは、大分スポーツ公園 サッカーラグビー場A
ヴェルスパ大分のホームゲームで多く使われる試合会場です。
おれが、この会場でブリオベッカを応援するのは4回目。(2回目の試合は、2017年開幕戦。開幕戦で降格が内定)
キックオフ20分前 スタジアムに入り、(本気のサポートをするため)軽くお腹にいれるものを物色していると、さわやかな青年から声を掛けられます。
以前 ブリオベッカの育成組織にいて、天皇杯関連の試合では一緒に応援し、現在は大分県内の大学で勉強しているとのこと。
声をかけてもらい 本当にありがたいです。しかも、ゴール裏でサポートに加勢するとのこと。

おれは、お菓子 や パンを売っている店で、シュークリームを購入

JFLで がっつり系 肉系 アイス・かき氷以外のスタグルがあるのは、珍しいです。
心身ともに良好な状態にしてから、アウェイゴール裏に入ります。
アウェイゴール裏は、見事なまでにガラガラ。いるのは、先ほど挙げた青年・浦安の声出し1人・おれの3人だけ。

牧歌的な雰囲気
選手入場のころから空気が張り詰め、午後1時キックオフ
試合開始
ヴェルスパにボコボコにされます。
ヴェルスパは元々守備の固いチーム(再昇格した2023年以降 ウチが複数得点できたのは、チームの調子が最も良かった2023年10月の試合だけ)でしたが、それに「クレイジーな選手」が加わっていました。
その選手は、金崎夢生
現在のJFLで、間違いなくナンバーワンの選手です。
その金崎は1.5列目で、前線のターゲットマンは、今村優介
ヴェルスパは4-4-2のようなフォーメーション。金崎の足元に入れるのか、今村の頭に合わせるかの戦術でしたが、ウチはボールを奪いに行く場所が不明確。いいようにパスを回されます。
それぞれ違う形で前線で収められる選手がいるので、中盤もDFラインもコンパクト。
自動的に、中盤で数的優位をつくられます。
ヴェルスパが、パーフェクトな組織的陣形であるのに対し、ブリオベッカはほぼ何もできません。慣れないアウェイの会場(芝生の面積がやたら広い)で、距離感にも戸惑っているように見えました。
ボールを奪った後、前線の藤山雄生にボールを当てても、数的不利のため簡単にはじき返されます。サイドにボールを渡しても、ヴェルスパは中を固めることを徹底。
おれとしては、サポートしたかったですが、「何をどうすれば」という心境。
嫌な位置でセットプレーを与えれば、ヴェルスパは プレースキッカーの名人 浜崎拓磨の出番。
クリアソンの島田よりも速いボールを蹴れるため(ボールに変化も付けられる)、おれは浜崎のことをJFLナンバーワンのプレースキッカーと捉えています。
ウチの守備の対応は遅れて、失点を重ねます。
おれのすぐ近くにあるゴールネットが揺れて、先制点献上。
1失点目の後、ウチが円陣をして仕切り直します。ヴェルスパは守備の意識が強くなり、ウチはクロスは多く上げます。惜しいといえるシーンは1回だけ。攻撃が中途半端に終わると、金崎夢生と周りの選手が躍動したカウンター発動。
他のチームと対戦すると、ウチの3枚のセンターバックとウィングバックの間に起点を作られるのですが、この日は、センターバックとボランチの間に起点を作られる危ないシーンが何回もありました。
結局、2失点目も喫して、ますます嫌な流れに。
直後にコーナーキックから3失点目。0-3
鬼木コーチがテクニカルエリアに出てくることが多く、選手のポジション取りについて指示を出します。都並監督が指示を送る場面は、ほとんどありません。
前半は0-3で終了。全くいいところがありません。
上述した大分県内の大学に通っている学生さん や 九州に縁のある選手のご親族に対し、申し訳ない思いです。
都並監督と鬼木コーチは、そそくさとロッカールームへ引き上げます。
ベンチ入り選手は、ピッチ内で練習をしていましたが、立て続けにロッカールームへ引き上げます。アウェイゴール裏にいた浦安市川サポは、「結果度外視で、後半 開き直って いろんなチャレンジをしてほしい」と話し合いました。
後半開始直前、都並監督と鬼木コーチがベンチに戻ってきます。悲壮感もありながら、どこかで覚悟を決めたような表情でした。
選手たちがピッチに戻ってきます。戻ってくるとき、審判からのチェックを受ける選手が何人もいました。
なんと、4人を交代。この後半45分間。テーマを名付けるとしたら、
魔改造の午後
後半開始
都並監督になってから、後半開始時に4人が代わっているのは初めて。3人代わっていることは1回だけありましたが、アクシデントによるもの
この時点で、ゴール裏のサポーターは驚きましたが、キックオフの笛が鳴ると、もっと驚きます。
冷静になった今 振り返ると、3-4-2-1のフォーメーションに変化はないのですが、現地の肌感覚だと4-3-2-1の三角形型です。
しかも、右サイドの栗田詩音と左サイドのジョニー(若杉)が何のためらいもなくサイドの最前線でボールを受けます。
そのサポートに回るのが、左サイドだと峯や菊地紘平
右サイドだと東駿や藤森
中央突破を図るときは、小島樹がラストパスを出せる位置に顔を出します。前線3人が、裏に抜け出そうとするタイミングも、絶妙にバラバラ。
アウェイゴール裏近くのゴールを目指して、選手が続々と駆け上がります。後半が始まって5分もしないうちに、もの凄いワクワク感が出てきます。
当然のことながら、後ろはスカスカで牛田援やIJ(伊藤純也)だけは2列目より前に出てきません。それ以外の選手は幾度となく最前線や1.5列目にオーバーラップしてきます。
おれは、このチームを応援し始めて10年経ちますが、初めて見る戦術です。
選手のサポートに やりがいがある試合展開。アウェイゴール裏は、浦安三社祭の掛け声「マエダ!!マエダ!!」を多用。
決定機は何本も作りますが、最後のシュートを思い切り打てずに、得点はできません。
応援の空き時間では「わけわからん」「ファイヤーフォーメーション」といった言葉が飛び交います。時間の経つのがアッという間。
ヴェルスパからすれば、前線のスペースは空き放題なのですが、中盤からパスを回そうとするとき、ウチの選手がありえないほど高い位置からボールを奪いに来ます。
前線に長いパスを出したとき、牛田援がヴェルスパの攻撃を単発で終わらせる守備を魅せます。素晴らしい。
後半20分ころ、ヴェルスパは金崎夢生を下げます。より一層、守備に重点を置く采配。
この時間帯から、極端なことを書けばウチのフォーメーションが1-1-3-5くらいに見えてきます(牛田-IJー藤森・小島・菊地ー栗田・東・藤山・峯・ジョニー)。
この1-1-3-5というフォーメーションは、過去のJリーグで一瞬だけ登場したことがあります。2012年J1昇格プレーオフ決勝 大分トリニータの田坂監督が十二分にリスクを承知した上で後半40分から数十秒だけ変えたことがあります。
引き続き、決定機は何回もつくります。そこに立ちはだかったのは、ヴェルスパのバンディエラ GK姫野昂志。チームに落ち着きをもたらすという意味では、JFLの中で最も優れた守護神。
それでも、左サイドを突破したジョニーのマイナスのクロスに小島樹が合わせて、ブリオベッカがやっとこさの得点。大分でも、得点を祝うエレクトリカルパレードをシャウト。
ヴェルスパは、ウチの左サイドを潰しにかかるため、右サイドバックの浜崎を下げます。さらに、守備を固めてきます。
ここから、ブリオベッカは、もっと「わけわからん」戦術を決行。左サイド ジョニーのサポートに、右サイドの栗田詩音が回ってきます。かといって、右サイドががら空きになることもなく、藤森の他にIJも右サイドに流れてきます。ミシャ(ミハイロ・ペトロヴィッチ)監督でもやったことがない超攻撃的フットボールです。
参考までに、テクニカルエリアから監督・コーチが指示を出すことは、ほとんどありません。後半はATを含めると50分間ありましたが、鬼木コーチが合計5~6分間いただけ。都並監督や北埜GKコーチが指示を出すことは皆無。魔改造フットボールを観察しているように見えました。
選手たちは、敵陣内で躍動。
ファン・サポーターは結果度外視だったので、引き続き「マエダ!!マエダ!!」の掛け声でサポート。
(プロ野球を知らない人だと分からない例えですが)1990年ころの近鉄バファローズを応援するような気分でした。
エース 野茂英雄がフォアボールをたくさん出しても、その数以上の三振を奪い続け
主砲 ラルフ・ブライアントが 豪快な空振り三振 を続けても、特大ホームランを期待し続けた感覚に似ています。
別の声出し隊は「油をまき散らしながら、とにかく前へ走るサッカー」という例え話をしていました。爆発寸前の爆弾を抱えながら、敵のアジトに突っ込むようなスリルあふれるフットボールです。
このフットボールは、GKの前にいる牛田が大事ですが、もっと重要なのは、その前の選手。
今日の場合だと、小島樹 菊地紘平 IJ といったところ。中途半端なポジションだったり、相手に入れ替わられたら、一瞬で破城。
ヴェルスパは、破天荒なフットボールを前に、後半だけで4枚の警告。2点リードしているとは思えない展開だったはず。
ブリオベッカは、数え切れないほどのチャンスを作りますが、これ以上スコアは動かず。1-3で敗戦。
試合終了の笛が鳴った直後、おれは「姫野選手、ナイスセーブでした!!」と声を掛けたところ、軽く応えてくれました。
試合終了後
選手たちが、ゴール裏まであいさつに来てくれました。
都並監督・コーチも申し訳なさそうな表情でした。
おれは、前節と違い 拍手で選手を出迎えます。
前半がめちゃくちゃ酷かったのは事実です。しかし、後半45分間の試合内容は
サッカーでともに成長し、まちを楽しくする。 というパーパスに通ずるものがありました。
勝ったヴェルスパは、ホームのサポーターと喜びを分かち合います。

おれは、選手たちが控え室から出てくる様子を観察。
その間も、浦安・市川のサポーター同士で「魔改造フットボール」について話し合います。
このフットボールは90分間持つのか?
相手が堅守のヴェルスパ以外だったらどうなる?
相手が対策をとってきたらどうなる?
いずれにしても、次節が楽しみです。
そうこうしているうちに、両チームの選手がスタジアムから出てきます。
ウチの選手は、淡々としているようでした。必要以上にガッカリする必要はありません。相手は、優勝候補筆頭なので、こういう結果になることは想定内。大事な5月に向けて良いシミュレーションができたくらいの考えでいいです。
ヴェルスパは、出待ちしているサポーターにファンサービス。
この日2得点を上げた金崎夢生も、写真撮影に応じたり、サインを書いていました。
サイン色紙をチラッと見たところ、「2ゴール!!」と書いていました。金崎がいい笑顔だったこともあり、悔しさがぶり返してきます。
おれは、ヴェルスパのサポーターと話をさせていただき、スタジアムを後にします。
ヴェルスパは高確率でJ3へ昇格するはずなので、ひたすら温泉巡り。



過去の遠征を含め、別府八湯を8か所全て回りました。
これで、心置きなく ヴェルスパの昇格を祝う準備ができました。
ブリオベッカは、次節が非常に楽しみです。
では
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