ブリオベッカにとって、6年ぶりとなった宮崎県内での試合。
その試合で、以前と同じように魔物が出現しました。
J3リーグ テゲバジャーロ宮崎vsFC今治
本題の前に、前日 土曜日のテゲバジャーロについて。
宮崎空港から1時間、宮崎市中心部からだと40分近くレンタカーで北上。
新富町にあるユニリーバスタジアム新富に到着。
17時キックオフで、初めてナイター設備を使用する記念すべき一戦です。この日の観衆は1,670人。

対戦相手はFC今治。昨年のトップチーム人件費は3億円(テゲバジャーロは1億円)。J3の中では、選手層が厚いチームです。

両チームのサポーターが、選手入場のときチャントを歌います。


始球式を務めたのは、引退したデカモリシ。栃木シティ時代には、浦安市陸(現.ベカスタ)でもゴールを決めています。


試合自体は、想定どおり今治が中盤でボールを華麗に回します。
メインスタンドにいたテゲバジャーロサポーターから、「相手がうまい」といった声がチラホラ聞こえてきます。ホンダロックに在籍していた山田貴文も効いていました。
試合中の髙木理己監督は、ほとんど静観。

片や、テゲバジャーロ宮崎を率いる松田浩監督(外見は、おれの父親に少し似ている)。

選手に対する指示が多かったです。
メインスタンドS席で観戦していたので、贅沢なことにその声が丸聞こえでした。JFLチームのサポーターからすれば、Honda都田サッカー場にいるような臨場感です。
ポジショニングの修正や球際での強さを求める声が、よく聞こえます。
それでも試合は今治ペースで進み、バー直撃のシュートやゴールライン上でテゲバジャーロのDFが何とかクリアする場面もありました。シュートを打たれる度に、テゲバジャーロ宮崎サポーターのどよめきや歓声がスタジアムに響きます。スコアレスで前半終了。
勝負の後半。
立ち上がりに想定外の事案発生。
テゲバジャーロ宮崎のセンターバック西岡大志(宮崎市出身)がDOGSOで一発退場。
この判定は、そもそもファールなのかどうか怪しいものでしたが、判定が覆るはずもありません。
松田浩監督は、西岡にレッドカードが提示された瞬間、特に動きなし。しかし、主審が宮崎ベンチのほうを向いた瞬間、持っていた紙を叩きつけて怒りをあらわにします。ハーフウェイラインを超えて、主審に猛抗議。数十秒後に引き下がり、鬼の形相をしてベンチ裏へ向かう西岡を労わります。
この判定以降、今治のハーフコートマッチとなり、難なく今治が先制。
しかし、ここからテゲバジャーロが盛り返します。今治のPA内までボールを運ぶシーンも出始め、後半25分ころハイプレスでボールを奪い同点に追いつきます。
ゴールが決まった瞬間のスタジアムは、5,000人くらいが集まっているかのような大歓声に包まれます。
同点になってからは、一進一退の攻防。テゲバジャーロが決定機を迎えるシーンもいくつかあり、スタジアムはワンプレーワンプレーに対する声とメガホンを叩く音が、とても大きくなります。
今治は、悪性リンパ腫から1年ぶりに復帰となるFWラルフ セウントイェンスを送り込みますが、大きく流れが変わることはなく試合終了。1-1の引き分けに終わりました。
試合後は、両チームそれぞれのサポーターが、選手を暖かくで向かいます。
おれは、両チームのサポーターの雰囲気(特に、テゲバジャーロが追いついたときの大歓声)に満足しながらスタジアムを後にします。
スタジアム周辺は大きな渋滞もなくスムースに移動し、さらに北へ15分。
高鍋町の経済的な旅館にチェックイン。

そして、小さな飲み屋街で、美味しい料理(地鶏専門店と寿司屋)をいただきました。


試合当日
まずは、日曜日にも関わらず朝7時から開いているおしゃれなカフェでモーニング。
(佐土原町にあるカフェ スリジエ アン フルールさん)

宮崎駅で浦安ファンを拾い、ミネベアミツミFCのホームゲームが行われるスタジアムに向かいます。
スタジアム到着
この日の会場は、生目の杜運動公園陸上競技場。生目の杜運動公園は、ソフトバンクホークスのキャンプが開催されることで有名です。

おれは、事前の幕掲出のため、一旦スタジアム内に入ります。
(参考までに、おれが作った幕をピッチから見える場所に掲示するのは、この日が初)
スタジアム内で、運営準備を進めているミネベアミツミのスタッフの方に会いました。
立派な体格と、それに似合わないベビーフェイスの持ち主。
2021年で現役を引退された
米良知記さんです。
先日、ソニー仙台の村田純平さんとも少しお話しができましたが、米良さんとも少しお話しさせていただきました。
当時のホンダロックでは、チーム屈指の人気選手。JFL海外選抜に選ばれたこともあります。
そのときは好青年というイメージを抱いていましたが、現役引退した今でも変わりありませんでした。お元気そうで何よりです。
お話しさせていただいた後、さっさと横断幕を掲出。
おれが作成した幕は、下の写真 左側に掲示されている物です。

スタジアムから一旦退出して、車で10分足らずの飲食店へ向かいます。

大通りから少し離れたところにある釜揚げうどん屋さんです。

隠れた宮崎名物で、最初の一口も最後の一口も変わらぬおいしさでした。この店には、スポーツ選手のサインが多くあり、2019年当時野球日本代表監督だった稲葉篤紀氏のも飾られていました。
スタジアムへ戻り、キックオフ1時間前に開門。雨が降り続いていて、気温は20℃ちょっと。しかし、浦安にいるときほど湿気は高くなく、比較的過ごしやすい天気です。

メインスタンドにいる観客は決して多くないですが、キックオフが近づくにつれ徐々に増えてきます。最終的な観客数は252人でしたが、うち80人くらいは浦安ファン。
浦安から来たファン や 九州出身選手の親族の方もいましたが、80人のほとんどは
マナビス宮崎支社のみなさん(以下、マナビスの方々)
以前、串間で開催されたホンダロックvsブリオベッカ以来となる(個人的には)感動の再会です。
マナビスの方々にとっては、6年ぶりとなるブリオベッカのサポート。
浦安周辺にいるファン・サポーターとは、気合いの入り方が段違いでした。
ペットボトルに音が鳴る球を入れて、メガホン代わりのものを準備。
チアダンスで使うポンポンで作成したミサンガのようなものは人数分以上に用意(浦安から来た人にまで配布)
さらには、浦安から来たファンが最大限サポートできるよう のど飴だけでなく、「小分けのお菓子」までいただきました。

おれからしても、「ただならぬ情熱」を感じます。
選手入場直前、おれはホームゲームと同様にマナビスの方々に演説します。そのとき、ミネベアミツミのスタジアムDJは、BGMの音量を最小値に落とす配慮をしていただきました。アウェイにも関わらず、本当にありがとうございます。
そして、キックオフ。
前半開始
マナビスの方々のサポートは、6年前同様にワンプレーワンプレーへの反応がとても大きかったです。
前半の応援は、ひたすらコールのみ。
浦和レッズサポーターがたまに使う「浦和カモン」のリズムで「浦安レッツゴー」は何回かやりました。
応援は、記憶に残っているシーンがいくつかありますが、ピッチ内の出来事で覚えていることはほとんどありません。ブリオベッカが右サイドを崩して打ったシュートがポストを直撃したことや、腕を使ったファールの際 レフェリーの基準が大きくばらついていたために両チームの選手が激しい口論をした場面くらいしか覚えていません。
ミネベアミツミ以前のホンダロック時代は、ベンチ外の選手が打つテキスト速報が大好評でしたが、
https://minebeamitsumi-fc.com/match/20221023/ (第24回JFL第26節テキスト速報 速報を打ったのは玉城嵐士)
https://minebeamitsumi-fc.com/match/20221113/ (第24回JFL第29節テキスト速報 ホンダロックのチーム名では、最後のホームゲーム)
この日のミネベアミツミvsブリオベッカのテキスト速報は、飛びぬけた内容ではありませんでした。ミネベアミツミのサポーターは、ホンダロック時代と同様に楽しそうなコールを連発していました。セットプレーのチャンス時の「ゴール!ゴール!」コールも懐かしかったです。
前半はスコアレスで終了。
ハーフタイム時は、地元のキッズチアダンスチームが、スタンドを盛り上げてくれました。
勝負の後半
後半立ち上がり、警戒していたセットプレーから先制を許してしまいます。
ミネベアミツミの選手もベンチも大喜び。
それでも、マナビスの方々と浦安ファンは後ろ向きにならずサポートを続けます。
後半15分ころに、ブリオベッカは3人の選手を交代。この交代で、ブリオベッカが攻勢に出始めたとき、おれの頭の中で6年前の出来事がフラッシュバックします。
串間で開催されたホンダロックvsブリオベッカの一戦です。
あのときも、宮崎県なのに浦安より気温が低く、雨の中での試合。おれは半袖半ズボンなのに、ちょうどいい気候に感じる。相手にセットプレーから先制を許すも、マナビスの方々はホームのサポーターを凌駕するサポートをしている。etc.
そんなことをぼんやり考えながらチームコールやカモン浦安をしていたとき、マナビスの方々が歓喜する瞬間が訪れます。
途中出場 林容平の見事なポストプレーから、IJ(伊藤純也)のシュートが決まり同点。
IJは、マナビスの方々に向かってまぶしい笑顔で拳を高々と掲げ喜んでいました。
エレクトリカルパレードをシャウトした後、じゅんやコール。
ミネベアミツミからすれば、前半途中アクシデントでの交代をして、60分過ぎに2回目の交代をした直後の痛い失点(残りの交代回数は1回だけ)。セットプレーを積極的に取りに行く以外に、有効な攻撃手段が見つからない状況となります。
それでも、ミネベアミツミイレブンは、ぶれることがありません。セットプレーを多くとりに行った結果、一定の効果があり計11本のコーナーキックを得ます。
ブリオベッカからすれば、セットプレーを与えすぎな印象は否めません。理想をいえば、ピンチの回数をもっと少なくすることもできたはず。
攻撃のほうは、ラストパスが通らないシーンが目立ちます。それでも、マナビスの方々は選手を鼓舞するサポートを続けます。すぐに次のプレーへ切り替えができていました。ため息や面白くない野次が皆無なのに、ワンプレーワンプレーへの反応が大きく、「今ここ」に対するサポートができています。本当に試合に入り込んでいます。大げさでなく、気持ちの面だけは浦和レッズのサポーターに負けないサポートでした。
後半40分過ぎ、都並監督は勝負手を打ちます。久しぶりのスタメンとなった「浦安の明神」こと橋本龍馬に代えて荒井大。さらに、ランニングマン伊川拓に代えて赤松秀哉を送り込みます。これで、選手交代枠を使い切りました。
ほぼ同じタイミングで、ミネベアミツミの男前・宮路監督も選手交代枠を使い切ります。
試合展開が完全にオープンになるも、ミネベアミツミのコーナーキックチャンス時以外は、両チームのシュート本数が少ないまま後半ATに突入。
ブリオベッカは、センターバックとして入ったはずの赤松が前線に張り続けます。ミネベアミツミは、有効なカウンターがほとんどできてないとはいえ、大胆な戦術といえます。
西袋もかつての田中マルクス闘莉王のように、いつの間に駆け上がっているシーンもありました(変なボールの奪われ方をしなければ構いません)。
残り時間がわずかとなる中、伊藤純也がPA内にボールを入れます。ミネベアミツミのクリアは中途半端となり、左サイドでハードワークを続けていた村越の元にボールが渡ります。
そのままドリブルでPAへ侵入。林容平と赤松が、それぞれニアとファーへ駆け出します。
駆け出す様子を見る余裕のあった村越は、クロスを上げます。
その2人に合わせるのではなく、マイナスの角度で。
その落下点に入ったのは、途中出場のFW。
後ろに体重をずらしながらのヘディングでしたが、正確なコントロールショットでした。
ボールは、ミネベアミツミのGKの脇をすり抜け、ゴールネットに吸い込まれました。
あの鹿児島県志布志全社vs栃木シティ以来となる
浦和レッズ FW ワシントン 緊急来日
まるでワシントンのような劇的ゴールを決める井上翔太郎が、宮崎の地に降り立ちました!!
過去のワシントン降臨動画(vs川向こう と vs南葛)
情熱が大爆発する浦安応援席
(おれは、6年前の串間のように柵に上っていました)
浦安ベンチも同じような光景で、ベンチにいた選手のほとんどがピッチ内に進入。歓喜の輪ができあがります。
その様子を見ながら時計を確認した主審は、センターサークルを指しながら、長い笛を吹きます。
日本の審判が裁く試合では珍しく
ブザービーターで逆転。
ブリオベッカ浦安 マナビスの方々の大サポートを受け、勝利。
浦安ファンは、(We are REDS!!やワン!ソウ!ル!のように)「うーらーやっ!!」コールを叫びつつけます。
両チームの選手がセンターサークルに並び、観客や関係者に向かって一礼。その列がほどけた後、都並監督はいつも通り主審へあいさつ。このとき、ミネベアミツミサポーターが、ブリオベッカコールをしたかもしれません。気がついていなかったら、申し訳ないです。
試合後
大爆発した情熱の余韻が残る中、スタジアムDJは、ブリオベッカのファン・サポーターへ来場のお礼をしていただけました。これには、浦安ファン・マナビスの方々が拍手で応えます。
そして、ブリオベッカの選手が浦安応援席目の前まで あいさつに来てくれました。
宮崎県では6年ぶりとなるラインダンスを敢行。ホームゲームよりも盛り上がってしまいました。(余談ですが、ブリオベッカ初のラインダンスは6年前の串間)
ラインダンス後は、おれからマナビスの方々に大サポートのお礼を述べました。本当に、心強いサポートでした。
スタジアムの外へ出ると、ミネベアミツミの選手たちが来場した観客の見送りを行っていました。
その輪から外れた場所にいたブリオベッカ球団代表・谷口のおっちゃんと話をします。
おれは「ブザービーターでブリオベッカが勝利」した記憶がなかったので、おっちゃんに聞いたところ「ブザービーターで負けたことはあるけど、勝ったのは初めてのはず」とのことでした。
おれの体調にまで気を使っていただき、恐れ多かったです。その後、志布志全社でも応援に駆けつけていただいた浦安ファンの方に見送ってもらいながら、スタジアムを後にしました。

猫実に戻ってから
大逆転勝利の興奮が、しばらく治まりませんでした。
マリノス戦と違ってアドレナリン噴出が数日間続くことはなく、今では落ち着いています。
浦安ファンは「この勢いに乗って」と考えがちですが、調子に乗りそうなときほど、地に足をつけていきましょう。
日曜日の宮崎にいたのは、魔物でもなく天照大神さまでもなく、大サポートをしたマナビスの方々です。ブザービーターで逆転勝利したのも、半分は必然だと考えています。
偉そうなことを書きますが、
選手のハードワークと、ファン・サポーターのワンプレーワンプレーへの反応(声と手拍子)、もっと言えばブリオベッカに携わる全員が「今ここ」に集中し続けることで、勝利という結果を得ることができます。
そのことを忘れずに、(仕事や家庭など無理をしない範囲で)次のホームゲームを迎えましょう。では。
コメントを残す