「ベストゲーム」という言葉はよく使われるが、
ここでは贔屓チームを応援して最も興奮したゲームを振りかえりたい。
その前に、忘れたくても忘れられないワーストゲームのおさらいをすると、
Contents
ワーストゲームは即答で答えられる
2017年のJFL開幕戦
ヴェルスパ大分vsブリオベッカ浦安の試合だ。
2016シーズン最終戦以降のチームの主な出来事
チーム総得点の43%を叩き出したストライカーと「チームの心臓」と称えられた試合を組み立てるボランチが退団
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ファンが「来年のエースストライカー」と期待していた選手も、退団(実力はあるのに干されていた影響だろう)。
その前年まで在籍していたチーム(つくばFC)へ戻ることに。
↓
シーズン開幕1週間前につくばFCとプレシーズンマッチと行う
↓
つくばFCの開幕は1か月後、しかもカテゴリーは1つ下。なのに、
「来年のエースストライカー(現、地域リーガー兼チャンネル者数2.5万人超のYoutuber)」だったはずの選手にもゴールを決められて大敗。
後の話しになるが、その選手はレナチーニョを抑えて得点王の大活躍をみせた。
そして迎えた2017年開幕戦
プレシーズンマッチの出来が影響して、センターバックに篠原和希を抜擢。クロス、ハイボールの処理、1vs1の強さ、ノーファールでボールを奪うetc. チームで1番の出来だった。
チャレンジするセンターバックとして、昨年の選手には見られない仕事ぶり。カバーリングに長けた笠松との相性もよかった。
スコアレスで迎えた後半立ち上がり、この時期好調だった坂谷武春のシュートはポスト直撃。そのこぼれ球を南部健造が押し込み、浦安が先制。
その後は落ち着いた展開になるが、後半20分過ぎに、スルーパスを通される。パスを出す選手にチェックがないこと、DFラインが揃わなかったことでピンチを迎えた。しかし、ゴールキーパーが股でボールを防ぎ、事なきを得た。
アウェイの浦安1点リードの後半30分、おれにとって忘れたくても忘れられない交代が行われた。
センターバックの篠原に代えて、背番号10の清水康也の選手をピッチに送る。サイドハーフの選手をセンターバックにポジションを移す(当然、ほとんど経験はない)。
の次のツイートが
当たり前
としか、言いようがない展開になる。
声を出して応援したのは覚えているが、相手のロングボールへの対応に四苦八苦。
セットプレーから同点に追いつかれ、そのまま試合終了。浦安は、辛うじて勝点1を拾った。
初めて書く(話す)ことだが、試合直後、唯一のコアサポにちょっとした提案をした。その内容は、
「監督のところへ(采配の意図を)聞きにいきましょうか?」
しかし、そう考えたのはおれだけだった。結局、誰も監督のところには行かず。
おれは、2つの疑念を抱きながら帰路についた。
その1.「球団上層部は関東サッカーリーグに降格したがっている」
その2.「監督が八百長に加担した」
この試合を振り返った当時のブログ
おれは、この開幕戦をもって(30試合中1試合消化)、
JFL残留をほとんど諦めた。
気分的には、4試合を残して勝点10差くらいの状況だ。
おれが仕事で行けない間に、ホームゲームは2試合行われた。
1試合目は、ラストプレーで勝ち越されて、そのまま試合終了。。
もう1試合は、後半39分に先制ゴールを決められ、そのまま試合終了。
この2試合の対戦相手は、Honda様やソニー仙台、ヴァンラーレといった強豪チームではない。
6年前から継続している監督の解任もなく、次の試合を迎えた。
遠距離アウェイのホンダロック戦だ。
下位に沈むイメージの強いホンダロックだが、このときは確変状態の最中。
昨年7月、Honda様に負けてからのリーグ戦成績は、10勝4分け0敗。つまり、14戦無敗。
この時期に生まれた名言を2つ紹介すると、
ロックをサポートする年中コスプレする中年:
「(Honda様より順位が上になって迎えた初めての優勝争いに)どうやって応援したらいいのか分かんねーよ」
当時は浦安唯一のコアサポ:ホームのホンダロック戦の後半途中、浦安の監督を見て一言
「ダメだ。思考停止している。」
昨年10月に浦安ホームで対戦したときは、1-3でホンダロックの勝利。
半年間の間に、浦安は戦力がた落ち。辞任してほしかった監督は継続。
ホンダロックは、戦力ほぼ変わらず。監督は継続。
ベストゲーム 2017年のアウェイ・ホンダロック戦
そんな状況で、ソラシドエアに乗り、アウェイの宮崎県串間市へ向かった。
志布志やソウルワールドカップスタジアムよりも時間のかかる道中、試合に勝てるイメージは、全く湧いてこない。負ける気しかしないので、途中の飲食店でいろんな海産物を食した。
ただし、「おれ自身は勝ちたい」という想いを込めた声出し応援をすることは決めていた。
キックオフ5分前、
試合登録外のロックの選手が、ベンチコートを羽織って入場口の手伝いをしているとき、
おれは半袖のTシャツ、半ズボンで登場。雨も降っていて、南国とは思えない気候だった。
年度末の土曜13時。僻地での開催だったので、浦安近辺から来た3人(おれ含む)しかアウェイチームを応援しない状況だと思ったが、
胸スポのマナビス(宮崎支社)の皆さんが20人くらい来場していた。
キックオフして、3人はいつも通りの応援をしていた。
マナビス宮崎支社の皆さんは、落ち着いて試合を観ていることはなかった。予想に反して、半数は立ち上がって応援。サッカーを現地で観た回数は少ないようだが、ワンプレーに対する反応がとても大きい。簡単なコールには、みんなが大きい声でノッてくれる。
試合前は↓に近い応援を想像していた。
実際の体感(少し大げさかもしれません)↓
僻地開催なのに、浦安の応援が相手を凌駕する異様な状況。
しかし、それがスコアに現れることはなく、前半はスコアレスで折り返す。
ハーフタイム中に、マナビス宮崎支社の方と話しをする。「後半はどう応援したらいいですか?」と聞かれたが、これ以上求めるものはない。むしろ、おれが見習うべき
後半に入り、浦安が攻勢を強める。ロックからすれば、「ボールを持たせている」のではなく、「攻められている」印象をもっただろう。
浦安を応援する声量はさらに増すが、ロックも何とか踏ん張る。
浦安の攻撃が落ち着いた後半20分過ぎ、PKを献上してしまう。諏訪園が決めて、(試合前の想定通り)ロックが先制。
しかし、浦安の応援は、あえて数分間リモート状態。
(監督が選手を混乱させるチームなので、ファンまで焦っていると思われたくなかった)
浦安が最初の交代で南部健造(現、タイ2部リーグ)を入れてから、コールを再開。
ここから、応援のギアは一気に上がる。
コーナーキックをゲットし、その流れからPKをゲット。マナビス宮崎支社の皆さんは既に喜んでいたが、おれは落ち着くよう伝える。
このPKは(イケメンというよりも尊い存在の)俊哉様が決めて同点。後半35分のこと。
応援席側のエンドでゴールが決まり、マナビスの女性の皆さんは大喜び。
この得点以降は、誰も煽っていないのに、全員総立ち。応援のボルテージはぐんぐん上がる。
今までの試合と違い、センターバックは安定しているので、相手のロングボールを使った攻撃は単発で終わる。
「ひょっとしたら」の想いが脳裏をよぎる。
少しの時間が経ち、浦安が再びコーナーキックをゲット。応援の熱量が最高潮に達する。
このときを超える応援は、(2019年を除けば)子どもたちが100人以上加勢した試合のみ。ホームよりもホームらしい空間だった。
みなさんの声援に押され、
目の前にいた上松が蹴ったボールは、俊哉様の長い脚を生かした折り返しから、笠松が逆転ゴールを奪った。後半45分のこと。
狂喜乱舞の浦安応援席。おれは器物損壊はしていないが、客席最前列のフェンスに股をかけて大喜び。同じ行動をするファンがもう5人いれば、フェンスは壊れただろう…
アディショナルタイムは3分あったが、(監督は余計な交代をせず)逆転ゴールの熱も冷めないうちに試合終了。
ブリオベッカ浦安は、誰もが予想しえない逆転勝利を収めた。
試合後は、浦安応援席全員が参加してラインダンスを行った。選手はもちろん、監督やコーチも最高の笑顔だった。
おれやコアサポは「みなさんの声援のおかげで、劇的な逆転勝利を決めることができました」と言って、マナビス宮崎支社のみなさんに感謝を伝える。
選手や関係者、マナビスのみなさんと余韻に浸りたかった。しかし、帰路も長いので、後ろ髪を引かれながら競技場を後にした。
レンタカーで宮崎空港へ向かう帰りのみ、唯一のコアサポも同乗。計2人。車内は、応援の余韻もあったが、2人の声と「コアサポの太鼓を叩く腕」がオーバーヒートしていた。
そんな中、コアサポがつぶやいた一言。
「この試合は、一生の思い出になるよ」
おれも同感。
しかし、残念ながら、この試合を観戦して、今も浦安ファンを続けているのは、おれ1人となった(基本的に、来るもの拒まず、去る者追わず)。
だからこそ余計に、絶望的な状況からファンの声援で逆転勝利を決めた1戦は、心に残り続ける。
老害だと思われるかもしれないが、この試合を知らないファンに伝えたい情報が2つある。
1.ブリオベッカのラインダンスは、この試合が初めて。
初めてかつ下打ち合わせもないのに、みんなキレイに踊っている。理由は不明。
2.(推定)この逆転勝利がなければ、柏レイソルと天皇杯で対戦していない
この試合の1週間後→千葉県天皇杯予選準決勝
2週間後→千葉県天皇杯予選決勝
4週間後→天皇杯本戦1回戦
という日程を考えれば、この試合で悪い流れを断ち切りたかった。(もちろんレイソルにも勝ちたかったが)一時的に運命を変えることができたと思う。
この試合を振り返った当時のブログ(多少誤記あり。悪しからず)
明日の明治安田生命Jリーグ再開によせて
6月15日のシュウアケイレブン(アーカイブ視聴可能)で篠田和之アナウンサーが残したコメント
さらに、「資金力のないチームが昇格した」直後に「降格制度が復活した場合」経営破たんの危険性が非常に高いことも指摘している。
シュウアケイレブンでも話していたが、「クラブやリーグに過度な期待をしない」ことも大切。
試合を動画で見るのが当たり前になると、成績が伴わないチームのファンはストレスが溜まるはず(現時点では、関西のプロ野球球団とか)
しかし、下には下がいる。
そんなときは、「勝つ気がない試合」どころか「わざと負けるような試合」があったことを知ってほしい。少しは楽になるはず。
常勝チームがうらやましい気持ちはわかる。でも、暗黒状態漆黒状態からの逆転勝利は、ずっと記憶に残る。たかが1勝なのに、優勝くらい嬉しいこともある。それを信じて、必要以上に悲観することなく、動画での試合観戦も楽しんでほしい。
経営破たんしない限り、試合は続くのだから。
追記・攻撃陣にケガ人が続出したチームは、ブリオベッカ浦安の小島 樹の期限付き移籍を検討してください。真剣に。