明治安田生命Jリーグには、有名なダービーがいくつかある。
おれの住んでいる関東では、「さいたまダービー」がサッカーファンの間で知られている。
特に、大宮公園サッカー場(NACK5スタジアム)での試合は臨場感があり、TVで観ていても雰囲気は素晴らしい。
関東以外で有名なダービーといえば、静岡ダービーだろう。どちらの本拠地も球技場だが、熱狂的なサポーターが陣取るエリアは、ピッチから少し高さが離れている。
他に有名なのは、「大阪ダービー」だ。
特に吹田スタジアムは、1F席であればピッチが近く、なおかつ屋根もある。
このスタジアムで、両チームの応援を勉強したくなり、カテゴリー2のチケットを購入。(セレッソには悪いけど、試合中はずっとガンバを応援していた)
そして、キックオフ90分前にスタジアムへ到着。
両サイドの自由席へ入るゲートには長蛇の列。フラッグやタイコを持つサポーターもいて、選手のスタジアム入りに合わせて応援していたことが分かる。
スタジアムに入場した後は、両チームのサポーターをじっくり観察した。
昨年の vs浦和 以来となる吹田スタジアムで、テンションも上がった。
昨年の観戦記:吹田スタジアムには魔物が棲んでいる
ガンバは、公式グッズ以外の掲示物・フラッグが使用禁止となっている。
対するセレッソはフラッグを大量に振って、ビジュアルでも後押ししようとする気概は感じられた。
ただ、セレッソの応援が、試合前から飛ばし過ぎでは?と疑問に思った。ガンバ以上に声援が大きかった。
一方、ガンバの応援は、試合前から飛ばし過ぎなんて思わなかった。
その後、選手紹介のアナウンスで、ずば抜けた実力のある選手には、相手チームのサポーターから大ブーイングが飛ぶ。
お互いに、わかってらっしゃる。
ここで、ガンバのコールリーダーが、メイン・バックのガンバサポに向かって、声&手拍子で選手を後押しするようトラメガで伝える。「スタジアム全体で一体感を持った応援をしたい」考えが分かる。
いい雰囲気になったところで、選手入場。
両チームサポーターのテンションが急上昇する。
ガンバは、公式グッズ以外の掲示物・フラッグがない分、声援と手拍子が凄かった。
そして、キックオフ。
ダービーの雰囲気もあり、両チームとも出足が早い。球際の攻防が激しい。
昨年の vs浦和 を思い出させる。
前半はセレッソが優勢に進めていた。しかし、両チームの守備が光り、どちらも大きなチャンスはほとんどなし。スコアレスでハーフタイムに入る。
後半立ち上がり、ガンバ守備陣のミスもあり、セレッソの杉本が先制点をゲット。ガンバサポは10秒近く声が出ない。ショックの大きさが伝わる。
得点を取った杉本は、バック側のコーナーフラッグ近くで喜びを爆発させる。個人的に、この杉本の行動は「少しもったいない」と感じた。ビジター自由席の中心部へ駆け寄れば、セレッソサポのテンションはもっと上がったはず。
その後は五分五分の展開。ガンバのベンチは、アデミウソンを準備させていた。そのとき、追加点を狙った杉本のヘッドがバーを直撃。しかし、吹田スタジアムに「悲鳴や、変などよめき」は大して起きなかった。
昨年の観戦記にも書いたが、ガンバサポは「選手を後押しする」意味を分かっている。
そう思った直後。
サイドを走りまくっていた藤春のクロスから、ファンウィジョのヘッド炸裂。ガンバが同点に追いつく。
吹田スタジアムが大歓声に包まれる。ガンバサポのテンションが急上昇。
そして、アデミウソンを投入。ガンバは勝ち越しを狙う。
後半30分過ぎ、ガンバがCKのチャンスを得る。ガンバサポは、声援と手拍子の嵐で選手を後押しする。このとき、ホーム寄りのバックスタンドにいたが、おれの周りにも声援や手拍子を送る人が多い。セレッソの応援は、タイコの音がかすかに聞こえる程度だった。
何か起こる予感はあったが、三浦弦太がニアでドンピシャヘッド。GKのキム・ジンヒョンが反応できない完璧なゴールでガンバが勝ち越し。
このときの一体感は、おれの文章力では表現できない…
こうなると、ガンバの応援は「押せ押せ」モード。一方のセレッソの応援は、少しテンションが下がっているように思えた。
そんな空気の中、アデミウソンが決定的な追加点。セレッソサポは明らかに意気消沈。
ガンバのコールリーダーは、それに気づいていたか定かではないが、この場面で初めて↓のチャントを出す。
俺たちが 大阪さ 青と黒 俺らだけ
ガンバサポが、「誇らしげに」「堂々と」歌う様子が、この試合で1番印象に残ったシーンだ。
結局、このまま試合終了。吹田スタジアムで初開催となる大阪ダービーは、ガンバの勝利に終わった。
セレッソの応援が決して悪いとは思わなかったが、この日はガンバの応援が素晴らしかった。
「90分間、一体感を持って応援する」大切さを、改めて感じさせた一戦だった。
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