「我慢比べ」の90分

高校野球やJ1リーグのスターが、スポーツマスコミを賑わせている中、JFLでは残留争いを占う上で大事な一戦が行われた。
おれは大阪から当日移動し、栃木市総合運動公園陸上競技場に到着したのがキックオフ10分前。
既に、浦安の声出しファンは集まっていた。いつもの雰囲気と比べると、若干ではあるけど緊張感が漂う。
間もなく選手入場となり、いつもの歌で出迎える。
先日の大阪と比べると涼しく感じるが、今にも雨が振り出しそうな曇り空。7月の過去3戦と比べると、走りやすい環境だ。
と思ったが、両チームともかなり慎重な立ち上がりだった。
栃木ウーヴァは、攻撃に転じるとき、ほとんどの確率でFW若林をターゲットにロングボールを蹴ってきた。
そのセカンドボール奪取率は五分五分といったところ。傍から見れば、単調なペースで時計の針が進む。
声出しファンは、低調にならずに応援を繰り返す。天皇杯vs柏レイソル 以降は、楽しく応援する空気が「少しだけ」無くなっている。選手を励ますことに集中。
一方の攻撃は上松や田中貴大が、視野が広いプレーを展開するも、大きなチャンスは作れず。
前半はスコアレスで折り返す。
後半は、「浦安よりも勝ち点3を欲しいであろう」栃木ウーヴァの攻勢が強まる。カウンターのキレが増しているように感じた。
浦安がボールを奪っても、いい形で攻撃できない。
ロングボールの対応ミスから、「やられた!」と思う場面もあったが、本吉のスーパーセーブで事なきを得る(劇場型キーパーと思っていたが、今年は安定感も出てきた)。
浦安も攻撃的ポジションの選手を替えて、チャンスを作るも得点はできず。
このまま時間は経っていくが、両軍とも「リスクを大きく冒して攻撃」することはなかった。少ない手数でチャンスを作る場面があった以上は、守備陣形を崩してまで…という思惑が働いたのだろう。
両チームの選手は、できることを全うしたように思えたが、このまま試合終了。個人的に「満足はしていないけど、納得できる」結果に終わった。
試合後の応援席は、喜びもせず哀しむこともなく淡々としていた。
僅かだが、応援に疲れた空気はあった。
「残留争いから簡単に抜け出そう」と思わないほうがいい。と考えながら、帰路についた。