中盤のプレスの掛け方 ブリオベッカ浦安 vs クリアソン新宿

秋雨前線が停滞した9月下旬の関東地方

市原の臨海公園競技場(陸上競技場)では、JFL ブリオベッカ浦安のホームゲームが開催されました。

開門前

この日の臨海公園で行われるメインイベントはJFLではなく

秋季高校野球ラウンド16

第1試合は習志野高校が出場することもあり、五井駅から臨時シャトルバスが出ていました。

通常だと路線バスに乗り、最寄りバス停から10分ちょい歩くのですが、シャトルバスが出ているので、五井駅からあっという間にゼットエーオリプリスタジアム(市原市臨海競技場)に到着。

バス停から至近距離に野球場も陸上競技場もありますが、陸上競技場の開門前に到着したこともあり、「野球の雰囲気」しか感じません。

場外にいましたが、習志野高校吹奏楽部による美爆音は、とても良く聞こえます。

そんな環境で(球団所有の所有幕以外の)事前幕掲出を行いました。

開門 べか彦登場

陸上競技場開門直前に習志野高校の試合が終了。第2試合もあるのですが、ほとんどの高校野球ファンが続々と臨海公園を後にする最中に、陸上競技場が開門。

野球ファンがほとんどいなくなってから、べか彦が悠々と登場。この日だけは、社長出勤をしてほしくなかったです。

人数の少ないサッカーファン相手に のんびりしたグリーティング(ふれあいタイム)が行われました。

べか彦は、コンコースで行われていたサッカーボーリングにも参加。

見事に、ストライクをゲット。

ですが、おれは写真を撮影していたため、動画では撮っていませんでした。

そのことに対し、べか彦からお叱りを受けました。ごめんにゃさい。

観客のチケットチェックの場所では、スティックバルーンを配られます。

膨らませる前のバルーンを見たところ、何と

「ブリオベッカのスティック1本」と「クリアソンのスティック1本」で1組とのこと。

Jリーグ狂賛主義のような手法に嫌気が差したので、このバルーンは受け取りませんでした。同時に、「クリアソン新宿は来シーズンのJ3ライセンスを取得できる」とも思いました(国立競技場でのスピーカー応援といい、リーグのくだらない理念に沿った活動をしているため)。

気分転換も兼ねて、スタジアムグルメをいただきます。

当然、ジャマイカキッチンオルハさんのジャークチキンです。いつものことながら、チキンを美味しくする技術の高さに感服。

天気は小雨模様でしたが、応援には全く支障のない状態です。涼しかったので、サッカーを観るには適していました。

ピッチ内アップのときも観客は少なかったですが、キックオフ間近になって増え始めます。最終的な観客数は454人で、子どもたちが多かったです。

この試合、ブリオベッカ球団としては「(クリアソンのホームで行われた)国立競技場でのリベンジ」を謳っていましたが、おれが観客に向けて行った演説では、これを無視。

「このチームの応援は、旗でもゲートフラッグでもなくスピーカーでもなく、みなさんの声と手拍子が最大の良さ」であることを伝えます。

そして選手入場。

クリアソンの声出しサポーターは、ほとんどいませんでしたが、このときからチームのコールや応援歌でサポートしていました。

試合開始

ピッチ内よりも、スティックバルーンが目立ってしまいました。

立派な興行と比べて、ブリオベッカの声出しサポーターの盛り上がりが欠けるのは確かですが、

大勢の子どもたちに、バルーンを渡したらどのような行動をするか? 結果は明白。

試合と全く関係ない盛り上がりをしていました。

この試合は天皇杯本戦ではない なおかつ 子どもたちは楽しそうにしていたので、おれは特に止めなかったです。

ピッチ内に目線を移すと、

「浦安の明神」こと橋本龍馬が出場停止だったので、3列目のボランチは「本職がCBの笠嶋」と「本職が2列目の小島」というコンビでした。

しかし、ブリオベッカの選手たちは躍動していました。

笠嶋のオーバーラップや村上のポストプレーが、特に目を引きました。

決定的といえるシュートもいくつかありました。しかし、決めきることができません(シュートを打ったことは評価できます)。

決定機をいくつか逃し、ブリオベッカの選手は「ボールの受け手が縦に急ぎ過ぎる」シーンが多くなります。サイドでワンツーのパス交換をする場面や小島樹が前線へスルーパスを出せそうなときetc. 小島樹がスルーパスを出せそうなシーンで、ボールの受け手は「ダイヤゴナルラン」を意識してほしいです。

守備は、前線のハードワークが効いて、ボランチの距離感もよく、最終ラインも高く設定されていて、いつになく良い出来だっただけに尚更残念です。

前半35分ころ、両チームの選手が揉める場面が。スライディングタックルを受けた選手に対し、倒れこみながらエルボーを喰らわせた選手。それに対し、ユニフォームの胸のあたりを(体重かけずに)掴む といったプレーがありました。

ブリオベッカはフリーキックのチャンスを得ますが、主審と副審が協議。その後主審は数メートル離れたところに両チームのキャプテンだけを呼び出し、一連の流れとジャッジの理由を説明(エキサイトした選手の前で説明すると、さらに荒れる可能性が高いので、この行動は好判断)。

このチャンスは生かせず、さらに決定機もありましたが、スコアレスのまま前半終了。

ハーフタイムの応援席は、特に変わった様子もなかったです。前半35分ころのプレーを振り返る人もいませんでした。

後半開始

雨がやみ、勝負の後半。

ブリオベッカは1人選手を交代。小島樹が本来のポジションへ。

早速効果が出て、直接フリーキックのチャンスを得ます。

伊藤純也が狙いますが、惜しくも逸れます。

クリアソンが戦術を替えてくると考えていましたが、その様子もなし。

先制点を取らないと怖くなりそうな展開でしたが、それを打破したのは「あの選手」でした。

CBの西袋から1トップの村上弘有に見事な縦パスが入ります。村上はポストプレーで、近くにいた小島樹にボールを渡します。そこからの展開は早く、駆け上がっていた左WBの村越へ。

左WBの村越は、やや早目にクロスを入れます。最前線でいいポジションにいたのは村上と右WBの伊川。

伊川に合わせるクロス(試合後の本人談)でしたが、わずかに合わず。このボールは、クリアソンのゴールキーパーにとって虚を突かれた形となり、ファーサイドのゴールネットに吸い込まれます。

ブリオベッカ浦安 先制点

公式記録では、村越健太のゴール。

得点と祝うエレクトリカルパレードが市原臨海で歌われます。

先制されたクリアソンは、2名の選手を交代。岡本達也と「197cm87kgのFW」を送り込みます。

その直後、クリアソンに決定機が訪れます。しかし、ブリオベッカGK本吉がファインセーブを魅せます。

このプレーの後、流れは完全に停滞。クリアソンは後半30分と35分に交代をしますが、1点リードしているブリオベッカはハードワークし続けた村上に代わり井上翔太郎を入れたのみ。

クリアソンはロングボール戦術になると思ったのですが、よく分からない作戦でした。

ブリオベッカは、前線からの守備が効いていて、DFラインがズルズル下がるシーンはほとんどなかったです。

正直に書くと、前のホームゲームで対戦したレイラック滋賀のほうがよっぽど強かったです。

浦安ファン(声出しだけではない)は、試合終了が近づくにつれてチームコールが大きくなり、ホームゲームでの勝点3への期待が膨れ上がります。

クリアソンに自陣でフリーキックを与えてしまう場面もありまたが、このピンチの凌ぎます。

後半ATに入ると、ブリオベッカが「鹿島る(敵陣コーナーフラッグ付近で複数人によるボールキープ)」もあり、浦安ファンは盛り上がります。

結果、1-0でブリオベッカが会心の勝利。3試合ぶりの勝点3を得ることができました。

試合終了後

ブリオベッカの選手は、相手のファンにもあいさつ。この行動は、肯定も否定もしません。

そして、自チームのファンサポーターにもあいさつをしてくれました。

ホームゲームで勝利したので、ラインダンスを行いましたが、初めてくる子どもたちもたくさんいて、客席側はグダグダでした。選手には少し悪いことをしました。

掲示した弾幕を回収後コンコースの下へ降りたところで、いつも通り選手たちによるお見送りがありました。

勝点3 かつ 子どもたちが多かったこともあり、とても賑わっていました。

その様子を傍目に眺めながら、シャトルバスに乗り込み今年最後となる市原臨海を後にしました。

次節のアウェイゲームは現地へ行けませんが、失うものはないので、どんな状況になってもベストを尽くすことに集中してほしいです。

クリアソン新宿に対して思うこと

いつもは、相手チームのことを書きませんが、今回は例外。

国立競技場での運営は素晴らしいものがあり、ブリオベッカ球団として見習う点はたくさんあります。

しかし、国立競技場を除いた観客動員は微妙な数字です。「ファン・サポーターにとって魅力的なスタジアムはどういったものなのか」を考えながらファン・サポーターの手を借りながらできることがまだまだあるはずです。

もし来シーズン以降、「クリアソン新宿が勝てばJリーグ参入という試合が国立競技場で行われ、相手がブリオベッカだった」場合は、「クリアソンおめでとう」弾幕を用意しておきます。

では。