村田達哉コーチ兼強化部長 ブリオベッカを退団、川崎フロンターレのコーチに就任

9年間浦安を応援してきましたが、これまでの選手・スタッフの中で最もショッキングな退団です。

2019年1月 村田達哉コーチ就任

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テクニカルディレクターの立場から新しく監督に就任した都並さんの要請を受けて、コーチに就任。

前年は、コバルトーレ女川を率いていて、攻撃的なサッカーをする前評判は聞いていました。

浦安に来てから、最初の2年間は、都並監督の相談役といったイメージがあります。

育成組織も見ていたり、練習メニューを作っていた模様ですが、その効果は1人のサポーターが実感するには至っていません。

都並監督、村田コーチ体制でチームがどん底から抜け出し発展し始めたとき、GKコーチ兼強化部長だった伊藤竜一氏がロアッソ熊本のGKコーチに就任。

強化部長の後任として、村田コーチが兼任することとなります。

2021年1月 強化部長に就任

このシーズンオフで新加入した選手を列挙すると

峯勇斗(VONDSから加入、今季チーム得点王) 上松瑛(鳥取から再加入、地域CLで昇格を決定づけるゴール) 加藤大育(2年後相模原に移籍) 林容平(チームに足らなかった闘争心ある点取り屋) 西袋裕太(VONDSから加入、3年後今治に移籍) 三谷胡太朗 村上弘有(3年後青森に移籍) 高梨起生 小泉隆斗(川向こうから加入、3年後鳥取に移籍) 二瓶翼(チームに足らなかったドリブラーかつ明るい変人) 伊藤純也(今では立派なゲームメーカー)

プロ野球なら、神ドラフトといえる陣容です。前任の強化部長が抜けたタイミングにも関わらず、これだけの選手に来ていただいた功績の一部は、村田コーチにもあります。

2021年はコロナ禍が続いていて、おれが現地へ行けた試合は、ほとんどありません。現地で観れた試合で記憶に残っているのは、ときどきテクニカルエリアから指示を出す姿でした。小島樹と伊川拓(このオフで鳥取に移籍)が同時に出場できたときは、面白いように点を取れるシーズンでした。

関東リーグの成績は22試合で勝点49。2位。地域CLへ出場ならず(全社は中止)。関東リーグで優勝したクリアソンは勝点50。得失点差はブリオベッカが上でした。

2022年 テクニカルエリアから指示を出し始める

引き続き強化部長として、戦力的にもメンタル的にもチームを上向きにできる補強に成功。

この年から都並監督の決断により、ブリオベッカがボールを支配している時間帯は、ずっと村田コーチがテクニカルエリアにいました。

関東リーグは5月下旬から低迷。天皇杯本戦1回戦 vs筑波大(延長で2-2のちPK戦負け)のような試合展開ができれば優勝争いもできましたが、甘くなかったです。

リーグ戦は18試合で勝点24 6位。

しかし、

10月の全社で優勝。全社ベスト4以上により出場権を得た11月の地域CLでも優勝

この快進撃は、チームのメンタルが素晴らしかったこと以上に、1人の選手が後世に名を残す活躍。中村憲剛と小林悠を足して2で割らないようなプレーでした(次回のブログで書きます)。

全社と地域CLは、ほとんどの試合を現地でサポートしましたが、村田コーチの存在の大きさにはまだ気づいていませんでした。カップリフトをしていたので、選手からの信頼が厚いことは伺えます。

2023年 本領発揮

ほとんどの主力選手の残留に成功。関東リーグの実力者が加入。昨年以上に有望な新卒選手が加入。

しかし、序盤は低迷。無得点に終わる試合は少なかったですが、複数得点取れる試合も少なかったです。

天皇杯は本戦への出場権を手にしたとはいえ、本戦1回戦までのリーグ戦8試合で

2得点が1試合 1得点が5試合 無得点が2試合 成績は0勝3分5敗

村田コーチがテクニカルエリアにいる時間はさらに長くなり、攻撃面の作戦は全権を任されていることは分かっていました。攻撃が機能しているとは言えない中で天皇杯本戦1回戦を迎えます。

ブリオベッカはJFL最下位。筑波大は関東大学1部でダントツ首位。

結果を先に書けば、3-2でブリオベッカが歴史的勝利。

ブリオベッカが先制点を決めたとき、浦安サポーターは大喜び。それ以外の観客、筑波大の部員がどよめきを上げた光景は、印象に残りました。

再開直後のリーグ戦。アウェイゲームは前半の内容が良かったものの敗戦。

次のホームゲームで、2位のソニー仙台を迎え撃ちます。

この試合は、3-2で勝利。3点とも、ソニー仙台のGKはノーチャンス。完璧なゴールでした。

1点目(26:41~)

2点目(1:05:12~)

3点目(1:32:36~)

↑3点目

直後に行われた天皇杯本戦2回戦 vs横浜F・マリノス

この日も、村田コーチがテクニックエリアから指示を出す時間が長かったです。

前半に先制され、後半半ばに追加点を取られ、0-2で敗戦。ブリオベッカはハーフタイムで修正し、後半のシュート数は11本、コーナーキックは9本でした。ブリオベッカがどういったサッカーをしたのかは、マリノスサポーターに聞いてください。

天皇杯で負けたことにより、残るはリーグ戦。攻撃を指揮する村田コーチのサッカーを継続してきましたが、選手たちに自信が芽生え、6月以降は複数得点が当たり前になってきます。

都並監督の指導する守備もハマりだし、快進撃が始まります。

リーグ戦を3分の1消化した時点での順位表(浦安は0勝3分6敗)↓

今シーズンの最終順位↓

快進撃の中で様々なゴールを上げましたが、10月のvsヴェルスパ の2得点は、ポジションが特殊でした。

前半立ち上がりの先制点 アシストは左のセンターバック 得点者は左のウィングバック

前半終了間際の2点目 セットプレーの直後とはいえ、アシストは右のセンターバック 得点者はリベロ

攻撃を指揮する村田コーチも凄いですが、この作戦を許容する都並監督も凄いです。

まとめ

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村田コーチ兼強化部長のコメントを一部引用すると

試合出場する、しない関係なく、選手全員がどのような立場であっても、やるべきことをやる!これは今後も継承されるクラブの素晴らしい伝統です。

この伝統を作り始めた段階で、強化部長かつ攻撃の指揮をとり、(都並監督とともに)練習の指導をする村田さんが抜けるのは、本当に痛いです。球団にとって、べか彦の次に大切な存在でした。

Twitterにも書きましたが、2006年にイビチャオシムが引き抜かれたジェフと同じくらいのショックを受けています。

それでもJ1クラブ、しかもフロンターレで鬼木監督と共にトップチームの指導を担うのであれば引き留める訳には行きません(フロンターレ、マリノス、レッズの3チームは、日本のトップオブトップだと考えています)。

来年のフロンターレは、ACLも残っていて、夏から始まるACLEにも出場が決まっています。リーグ開幕前には、スーパーカップもあるので、今年の浦和レッズのような過密日程になるはずです。

個人的には、フロンターレがビッグタイトルを獲ったときに、村田コーチの喜んでいる姿を見たいです。クラブワールドカップのベンチで鬼木監督をサポートする風景が見たいです。

来年のブリオベッカは残留争いを覚悟していますが、村田コーチを快く送り出したいです。

どん底だったチームを、都並監督とともに5年間で魅力あるサッカーに成長させ、サポーターに愛される選手を続々と加入させていただき、本当にありがとうございました。