おれは「軽度の幻想」
突然ですが、おれは「軽度の幻想」を持っています。
ブリオベッカ浦安・市川 トップチームの公式戦は、ホームアウェイ問わず 現地で声を張り上げて応援し続けることが多いです。
極東4部であるアマチュアカテゴリーのフットボールで、そんな行動をする人はまれ。「軽度の幻想」を持っている自覚はあります。
しかし、谷口氏や多くの選手は、ファンに「自分たちがチームを支えている幻想」を持たせようとはしません。
スタジアムの現地にいると、節々で現実を見せてくれます。
アマチュアチームに「幻想」はいらない
顕著だったのは、昨年6月のホーム ミネベアミツミ戦試合後
現在でも最多観客動員である1,775人の観客に来ていただけた試合。
後半45分に追いつき、後半47分に逆転して勝利する最高の試合でした。
しかし、試合後の運営は観客にとって最低。
選手の協力もあり、勝利を祝うラインダンスをしたのは良いですが、
アナウンスでスポンサーさまだけを観客席中央に集め、
写真の真ん中にはスポンサー上層部さまがいて、ゲストは端に追いやっての記念撮影
スポンサーさまと関係のないサポーターや観客は蚊帳の外
(1,775人が集まって劇的勝利を挙げたのに、写真に納まる人数が少ないのは、上記の経緯があったため)
こうしたスポンサーさまを中心に考えた試合運営 や 球団代表である谷口さんが全面に出てくる体質は、現在でも変わっていません。
スポンサーさまを募り、その資金によってチームを強化する
「JFLで強いチームにするためには最善」の方法です。
今年のJFL30試合で勝点52を上げて3位入賞を果たしたのは、ブリオベッカに携わるみなさんの尽力のおかげです。
しかし、それだけではJリーグへ行くことはできません
谷口さんは、サッカーに触れ合った当時から 選手や関係者との距離感が近いという特徴があります。
今の球団の前身であるサッカースクールにお子さんを通わせていて、コーチに質問することが当たり前。
当時でも現在でも、選手や関係者と長時間話をできる環境にいます。
おれのような「幻想を持つ」期間は一切ありません。
谷口さんの頑張りにより、今の球団があるのは「事実かつ現実」です。
余談ですが、栃木シティのオーナーである大栗さんは、アルビレックスのサポーターだった時期もあるので、「幻想を持つ」期間がありました。それが、現在の運営につながり観客動員大幅増へ繋がっていると考えています。
アマチュアチームではなく
Jリーグへ行ってパーパスを実現させたいのであれば、ファン・サポーターへの接し方(スタジアム内外問わず)を変える必要があります。
ウチの球団上層部は、スポンサーさまの社員や家族つながりで、地域の方々にファンになってもらうと考えているかもしれないですが、
「すでに他チームのサポーターになっている(幻想を持っている)サッカーファンが、チームを乗り換える(幻想の対象を代える)可能性は、ほぼゼロ」です。
スネアを叩いているサポーターは、ブリオベッカよりもモンテディオに対して大きな幻想を持っています。数年前 某J1チームのスポンサードをしている企業に勤務していたこともありますが、「スポンサー料を払うくらいなら、おれの給料を上げてほしい」というボヤキは、今でも覚えています。
球団内部に「観客に幻想を持たせたい」考えは、これっぽちも無し。今年7月の沖縄SV戦のハーフタイム 解説をしてくださった松木安太郎さんに対し、谷口さんがインタビューアーとなったトークショー。パーパスであるサッカーでともに成長し、まちを楽しくする。に全くそぐわない話。谷口さん自身やスポンサーさまのご機嫌を良くする内容に見えました。
試合後 インタビューアーとなった松木安太郎さんは、勝利監督である都並監督へインタビューを行います。ファンに幻想を持たせる必要性を分かっていて、幻想を持たせるように振舞っていたのが、今でも印象的です。このインタビューは、ブリオベッカのパーパス サッカーでともに成長し、まちを楽しくする。 に沿った内容と言えます。
おれが今年見に行った他球団の試合だと、ジャパネットの完全子会社であるVファーレン長崎は、ファンに幻想を持たせる必要はないのですが、幻想を持たせるような試合運営ができていました。
(試合前、ハーフタイムや試合後 ジャパネットの上層部や社員は姿を現していません。これぞ、プロの運営)
ウチに目を移すと、選手数名は分かっていて、ファンに「幻想を持たせる」振る舞いができているのは事実です。マスコットキャラクターのべか彦は、ファンに「幻想を持たせる」プロ中のプロ
多くの選手はアマチュアの意識が根付いています(それでもラインダンスに協力してもらえるのは、本当にうれしいです)。
繰り返し書きますが、アマチュアの意識があるのは「JFLで強いチームにするためには最善」
小林心(ベガルタ仙台←高知ユナイテッド)のように、得点時サポーターのところに向かい サポーターに幻想を持たせるよう全身で表現できる選手はまれ。教えてできるものではありません。
おれは、ブリオベッカを11年サポートしますが、そんな場面に出会えたのは、2022年11月 伊川拓の1回だけ(1回だけでもあれば、幸せなこと)
何回も書きますが、アマチュアとしては得点時にサポーターのところに走らなくても問題ありません
しかし
サポートするには「軽度の幻想」が必要
ウチの球団は
2023の天皇杯vsFマリノス戦で、試合後 相手のサポーターにあいさつする様子をシーズン終了後のお礼チラシに掲載したり(自分のところのサポーター風景は掲載なし)
今年のインスタグラムでは、アウェイのグルージャ戦だけ 相手のサポーターにあいさつする様子を掲載し、(他の14試合は そんな掲載がない)
ホームゲームのYoutubeライブ中継では、レイラック戦だけ ウチが失点したときに相手のサポーターを大写しにしたり、(他の14試合は 相手のサポーターを大写しにしていない)
ウチの球団内は、サポーターの幻想が無ければ成り立たない応援を好んでいます。もっと言えば、幻想を抱いたサポーターがたくさんいる光景に憧れています。
しかし、球団内では、「ファンがチームを支えている幻想」を持たせようとはしません。大きな矛盾が生じています。
球団がどんな考えを持っていても、選手は、ファン・サポーターに応援スタイルの要望はできません(知人や仕事仲間といった旧知の間柄だとなおさら)
ガンバ大阪の宇佐美貴史は、例外中の例外
おれ自身は、一所懸命声出し応援していますが、偉そうにしないよう振る舞っているつもりです(選手に応援どうだった?と聞くのはNG)(たまに選手とサポーター集合写真を撮影するときも、目立つことはしません)(スタジアム内で、球団関係者やボランティアスタッフを長話することも、ほとんどありません。それを見た観客の方に「常連だけを相手にしている球団」と思われてしまうからです)
過度な幻想だと「愛国無罪」ではなく「愛チーム無罪」の原理のもと暴走し始めます
中度の幻想の例1:
中度の幻想の例2:
重度の幻想を持った【自称サポーター】が起こす行動については、各自で調べてください
もちろん、おれ自身は過度な幻想を持たないようにしています。
試合前に拡声器を使わせていただき、声と手拍子による雰囲気つくりには言及していますが
「選手は一所懸命声を出すサポーターを求めている」とか「俺たちサポーターが頑張れば、この試合は勝てる」なんて過度な幻想につながることは言いません。
Jリーグ創成期は、市民に(過度な幻想ではなく)適度な幻想を持ってもらえるよう尽力した球団があります。
1990年11月4日~1993年ころの三菱浦和フットボールクラブ(浦和レッズ)です。
森孝慈(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia))
簡単に書くと日本で最も「地域密着」を徹底した球団なのですが、お届けしたい。とか 与えたい。と言った「上から目線」ではなく、understand(人の下に立つ)姿勢がありました。名もない青年や若者であっても、真摯に対応していました。
↓の2冊の書籍は、おれ自身も勉強になりました。良ければ、球団内部の方にも読んでもらいたいです。この本は、浦安市猫実のアジトにあるので、興味のある方にお貸しします。
レッズと浦和純愛サッカー物語 単行本 – 1998/6/1 山岡 淳一郎 (著)
浦和レッズの幸福 単行本 – 1998/2/1 大住 良之 (著)
まとめ
今年のJFLで優勝したのはHonda FCですが、今年は観客動員が増加し、1試合あたり1,000人を超えました。これは、Hondaの企業努力のたまもの
(2019年当時は、天皇杯本戦で浦和レッズを撃破した直後、晴天の日曜日にFC今治を迎えた試合でも1,000人を割った)(直近で優勝した2023年は1試合あたり792人)
カテゴリーが変わらなくても、企業所有のチームであっても、観客動員を伸ばすことは可能です。
話をJリーグ創成期に戻すと、
市民に適度な幻想を持ってもらうような活動をしたのは、住金も挙げられますが、どちらもJリーグ発足時からサポーターの幻想が無ければ成り立たない応援をしています。熱狂的なサポートがあるのは、それなりの理由があります。
特に、浦和レッズは アクセスが不便な場所にスタジアムを移転しても観客動員が伸びています。これは、Jリーグの他球団にはない現象です(Jリーグ参入当初から、スタジアム移転先が決まっていたチームは除く)
ブリオベッカも、スタジアム移転の可能性があります。しかし、球団が今の体質(三菱浦和フットボールクラブと正反対)のままだと、アクセスがとても良い場所に屋根付き球技専用スタジアムを建設できなければ、舞浜で関東リーグを戦っていたころよりも観客動員(コロナ直前の2019年は平均909人)が落ちるのは目に見えています。たとえ、JFLで優勝できたとしても。
スタジアムをどこにどのように建設改修するかは、もちろん大事ですが、浦安市市川市周辺は、Jリーグの本拠地が多数あります。
Jリーグに参入できるかも!?という宣伝だけでは、市民の目を引くことはできません。ブリオベッカがJFLに初昇格した2016年以降 比較的都市部に本拠地を置くチームがJリーグへ参入した事例は、FC大阪のみ。市川市や浦安市とは比べ物にならない強力な政治のバックアップがあったからこそ。
今の体質のままだと、スポンサーさま と 選手の知人 一部のオタクのためだけにある球団になっています。
球団に携わるみんなでパーパス「サッカーでともに成長し、まちを楽しくする。」実現に向けて、understand(人の下に立つ)姿勢で地道な活動を継続していきましょう。
では















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