ブリオベッカ浦安はJFLに昇格してからリーグ戦0勝2分4敗と苦戦を強いられています。
そんな中、春らしい穏やかな天気となった大型連休前の日曜日。
第一カッターフィールド(習志野市秋津)で、天皇杯予選決勝が開催されました。
ブリオベッカはJFLへ昇格したことによりスーパーシードとなり決勝からの出場。相手は2年連続で順天堂大学となりました。
前半20分にスタジアム着
キックオフ1時間前まで仕事だったので、スタジアムに到着したのは、キックオフ20分後。
それまでの間、ブリオベッカは前半早々に1点先制。峯勇斗のゴールの模様です。テキスト速報によると、その後もシュートを立て続けに打つも、追加点はならず。1点勝っているものの、少し嫌な予感もしながら、入場ゲートをくぐります。
スタンドを見渡すと、メインスタンドは半分以上が埋まっているように見えます。
順天堂大の学生さんも迫力ある応援をしていましたが、ブリオベッカ応援席も負けてはいません。大勢駆け付けた育成組織の子どもたちは、常に応援しているわけではないですが、ワンプレーワンプレーの反応は大きかったです。おれは甚平姿でなかったので、数人のファンに「なんでいつもの格好じゃないんですか?」と聞かれてしまいました。
ピッチ上は、一進一退の攻防でした。
ブリオベッカは、ウィングバックの石原大樹(いしはらひろき)と村越(!)が良い守備をしていて、順大のシュートは少なかったです。
ブリオベッカは、村上弘有がポストプレーでボールを収めようとするも、シュートまで持っていけるシーンは少ないように感じました。
前半は おれが観ていない先制点以降、スコアは動かずブリオベッカ1点リードで折り返します。
ハーフタイム時、水の入ったボトルの交換をしたのは、橋本龍馬と小泉隆斗。橋本龍馬はピッチ外でも水を運ぶ男になっていました。おれは、ため息がもれました。
後半
順大が攻撃の仕方を変えてきました。カウンターのとき、すかさず、センターバックとウィングバックの間にダイヤゴナルのパスを通すよう徹底されていました。この攻撃に対し、ブリオベッカはDFラインがズルズル下がってしまい、プレスが効かなくなります。
そして、PAすぐ外の中央から、ミドルシュートを決められて同点。ボールへのプレッシャーが全く掛かっていませんでした。見事なゴールを決めた順大・坂本選手は喜びを爆発させます。
それは順大応援席も同様で、松本山雅の得点時と同じ応援歌が第一カッターフィールドに響き渡ります。
順大は押せ押せモードに入ります。被シュートの本数は多くありませんが、幾度となくPA内への侵入を許します。
ブリオベッカ応援席は、静かになる時間帯もありましたが、自然発生的に始まるチームコールはいつになく多く、マイナスな雰囲気はなかったです。
時間が経つにつれ、順大も攻撃の糸口をつかめなくなり、試合は膠着状態になります。
ブリオベッカは最初の交代で石井幹人がピッチに入ります。ブリオベッカとしては、左サイドからの攻撃を防ぐことに成功。しかし、攻撃はいい流れとなりません。
後半30分ころから、両チームともジャッジへの不満が目立つようになります。順大の選手が不満を露わにしたとき、「本業山形・副業浦安のファン」がヒートアップ。「そんなんじゃ、いい大人になれねえぞ!」と野次を飛ばします。すかさず「本業浦安・副業仙台のおれ」は本業山形のファンに向かい「(いい大人になれないのは)あなたのことですか?」と質問。他の声出しファンは、思わず爆笑。
応援席が変な空気にはならなかったものの、両チームの選手が感情を表に出し過ぎる展開に。
ブリオベッカは伊川も橋本龍馬も不在なので、中盤でボールを握られるシーンが増えます。ブリオベッカは伊藤純也の展開でチャンスをつくるものの攻撃は散発的。村越はハードワークを続け脚が吊り始めています。決定機を作られないもののヒヤヒヤする展開です。
後半40分以降は、順大が攻勢に出るもスコアは変わらず。1-1で延長戦へ。
延長前半
ブリオベッカは3人の選手を交代。順大は、このタイミングでの交代はなし。
開始直後、ブリオベッカはコーナーキックのチャンスを得ます。浦安応援席は盛り上がるも得点ならず。それどころか、守備陣形がまっっっっっっっっっったく整っていないため、カウンターをもろに受け、PA内でキーパーと1vs1に。浦安ファンは「やられた!」と思いましたが、GK本吉がビッグセーブ。浦安ファンから、勝ち越しゴールを決めたかのような歓声が上がります。
今にして思えば、この場面が勝敗の全てでした。
この時間帯から、浦安応援席はいつになく戦闘モードに。ワンプレーワンプレーの反応が、さらに大きくなります。
再びコーナーキックを得たときの「うらやすゴール」コールは、とても大きく、その流れに乗って!?途中出場の上中柊司(うえなかしゅうじ。浦安ユースからトップチーム昇格。2年目の選手)が浮き球トラップからのシュート。枠を逸れますが、応援席は大いに沸きます。それもそのはず。これまでの公式戦出場は、鹿児島県志布志市の全社準決勝・決勝だけ。つまり、99%の浦安ファンは、トップチームでのプレーを観るのが初めて。ブリオベッカTVによると、試合前日からそわそわしていた模様ですが、特に問題ありません。
延長前半はこのまま終了。
延長後半
ブリオベッカは最後の交代でDF赤松秀哉(あかまつしゅうや)を送り込もうとしますが、その交代申請が少し遅れ、順大はキックオフを急ぐようせかします。浦安は遅延行為をするわけにもいかないので、交代は後にしてキックオフ。浦安は交代枠が1人だけ残っていて、ハーフタイム以外の交代は2回しか行っていないので、いつでも交代できる状況でした。
ボールが途切れた直後、ブリオベッカは最後の交代を行います。攻撃が機能していないという理由で、延長開始と同時に入れた選手を退けます。脚が完全に吊っていた村越を残す采配に、浦安応援席はどよめきます。
最後の交代を機に、ブリオベッカは攻勢に出ます。左サイドからのクロスにゴール至近で飛び込んだのは、上中。キーパーへのファールを取られましたが、いい飛び出しだったので、浦安ファンは大きな声援を送ります。
少しいい流れになり、ブリオベッカは右コーナーキックのチャンスを得ます。このチャンスの流れから、右サイド深い位置で藤森隆汰(ふじもりりゅうた)がロングスロー。ではなく、近くにいた石井幹人へボールを預けます。簡単にクロスを上げると、高いジャンプでボールに合わせたのは赤松。
ヘディングシュートしたボールは、順大ゴールの左サイドネットを内側から揺らしました。
ラスト5分で、ブリオベッカ浦安 勝ち越しゴール。
おれは、ネットが揺れた瞬間、スタンド最前列へダッシュ。最前列にある低い手すりをまたいでしまいました。応援席のすぐ近くにいた伊藤純也は、ファン・サポーターに向かって会心のガッツポーズ&雄たけびで喜びを爆発。
参考:おれが同様の喜び方をしたのは、4回のはず。
2017年3月 アウェイのホンダロック戦(試合後、当時唯一のコアサポが「一生の思い出になる」と言った試合)
2017年5月 ホームの武蔵野戦(ビジュアルも良いファンがとても喜んでいる姿が印象的)
2019年7月 アウェイの川向こう戦(試合終了間際、富塚の先制点。江戸陸で5年ぶり勝利)
2022年11月 地決(地域CL)の福山シティ戦(値千金どころではない伊川の先制点。伊川がファンの元へ駆け寄ったのも、ポイントが高いです)
注意.2022年10月の全社の栃木シティ戦の先制点は、これらを上回る喜び方をしています
これらの劇的ゴールでは、手すりやフェンスに上るファンなんて、ほとんどいません。
ところが、今回の赤松の劇的ゴール時に周りを見渡すと、同じ行動をしているファンが何人もいました。
エレクトリカルパレードをシャウトしようとするも、喜び過ぎて声がロクに出ません。
エレクトリカルパレードが終わるころには、少し落ち着き、このまま逃げ切ることに集中。
ピッチ内でもその狙いは統一されており、相手陣内コーナーフラッグ付近(浦安応援席目の前)で石橋オビオラが鹿島る動きは秀逸でした。浦安ファンは大いに沸きます。
後半アディショナル直前にはディフェンシブゾーンでフリーキックを与えるも失点は防ぎます。後半アディショナルタイムの浦安応援席は、ひたすらチームコールで選手を鼓舞。結局、赤松のゴールが決勝点となり、ブリオベッカは2-1で勝利。今季初勝利は、天皇杯予選決勝の大舞台であげました。
試合後
アマチュアの大会らしく、両チームの選手が相手ベンチへあいさつ。
その後、表彰式が行われます。ブリオベッカは、天皇杯本戦へ出場。1回戦は5月21日です。
表彰式が解散となった直後、謎の静寂もありつつ2019年8月の栃木シティ戦以来となる
ラインダンスを決行。ほとんどの選手にとって初めてなのでまごつきましたが、みんないい笑顔でした。
とはいえ、この試合は前半15分までにケリをつけるべき試合でした。それは、スタッツをみれば明らか。
4月30日のアウェイ青森戦は、うまくいかない方法を見つけるための試合と割り切ってほしいです。5月中旬からの反撃体制を整えるため、出場機会の少ない選手の活躍に期待しています。では。