2024年全国社会人サッカー選手権大会 2日目&3日目 観戦記

今年は滋賀県で行われた全国社会人サッカー選手権大会(全社)

レギュレーションや地域CL出場権の説明は、他のサイトでご確認を

 

初日は浦安にいたので、結果だけを追っていました。

秋晴れかつ強風となった大会2日目。

始発の東海道新幹線に乗車し、一路滋賀県へ。

会場がいくつかあるのですが、おれは皇子山総合運動公園陸上競技場へ

京阪電車の駅から徒歩1分。アクセス至便。

2日目の第1試合

JAPANサッカーカレッジvs多度津FC

フィジカル勝負だと、JSCに分がありました。

それ以外の基本的な技術やポジショニングもJSCのほうが上。

当然、JSCの一方的な展開となりますが、多度津もカウンターのチャンスがありました。

多度津の選手は、審判やボールボーイに対し、とても礼儀正しかったです。

しかし、前半の半分過ぎから、どちらもラフプレーが目立つように。締まりのない試合となってしまい、前半終了間際にJSCが立て続けに2点。勝負は決してしまいました。

後半はJSCがペースを落としましたが、それでも1点追加。3-0でJSCの勝利。

JSCの強さ と 多度津の礼儀正しさが印象に残りました。

そして第2試合

エリース東京vsコバルトーレ女川

エリースのパス回しが冴えわたります。

パスを出した選手の動きだしに、コバルトーレはついて行けず。

コバルトーレベンチ近くで、サイドを完璧に崩したときは、葛野監督が頭を抱えるほど。

浦安ファンにも馴染み深い エリースの村田翔や藤池翼が躍動。

エリースは、ショートカウンターから松岡ジョナタンが決めて先制に成功。

前半終了時のスコアは1-0ですが、シュート数はエリース7に対し、女川はゼロ。一方的。

女川の葛野監督は、2枚替えを決断。FWの野口龍也がいい動きだし&ポストプレーで流れを盛り返します。

エリースは目に見えて運動量が低下し、女川がゴール近くまでボールを運べるように。

エリースのビルドアップの精度が落ち、ショートカウンターを食らう場面では、エリースのファン・サポーターが悲鳴を上げることも。しかし、何とか持ちこたえます。

試合終盤は、エリースらしいボール保持は影を潜めますが、スコアは動かず試合終了。1-0で勝利。

皇子山を後にしたおれは京都市内で1泊。

そして

運命の3日目。地域CLに行けるか否かが決まる準々決勝

第1試合は野洲川歴史公園サッカー場(ビッグレイク)

FC刈谷vsヴェロスクロノス都農

今年の全社で1番注目度の高い試合と言っていいでしょう。

都農は九州リーグを制し地域CL出場を決めていますが、「勝負掛け」となる刈谷をつぶしておきたいところ。

サッカー専用スタジアムの仮設席に両チームの声出しサポーターがそれぞれ数十人詰めかけ、フットボールらしい雰囲気でした。

それをライブ中継で伝える仮設やぐら

刈谷のシュート練習時、ネットが揺れる度にボールボーイが拍手。

鈴木直人が右45度から強烈なシュートを決めた時は、感嘆の声。

ピッチ内練習が終わり、選手入場。そして試合開始(おれはスーツ姿で刈谷を少しだけ応援)

刈谷の立ち上がりは抜群でした。攻勢をまともに受ける形となった都農。

刈谷の齋藤雅之や尾﨑僚のポジショニングが良く、サイドバックが躊躇なく高い位置を取ります。

惜しい形が何回かあった後、刈谷が先制。さらに、鈴木直人が裏に抜け出しかけたとき、都農のセンターバックがファール。主審の長谷川豊さんは、DOGSO判定。刈谷は数的優位。

参考までに、全社は主審にとっても昇格が掛かっている大会。

2022全社で浦安は5試合しました。

決勝の主審は現在J3担当

1回戦 3回戦(準々決勝) 準決勝の主審は 現在JFL担当

2回戦で大誤審(イエローでも辛いファールで一発退場を命じた)をした主審は、J3 JFLで名前を聞きません。

この日の長谷川豊主審も、近いうちJFLで笛を吹くことになりそうです。

話を戻すと、

刈谷は優位に試合を進め決定機は何回もありましたが決めきれず。サポーターは野次ではなく「変わらぬ応援」を送ります。

前半は1-0で折り返し。刈谷に勝ってほしいおれからすれば、少し嫌な予感がします。

それは、2020地域CL1次ラウンド 浦安vs刈谷の記憶があったから。刈谷目線で見れば、前半の試合内容で圧倒したにも関わらず、得点はコーナーキックからの1点止まり。浦安はハーフタイムで選手を2人替え、後半に流れの中から、30m近い無回転シュートがさく裂。

このゴールのことはよく覚えていますが、想像を遥かに超えたゴールを目の当たりにし、2秒間フリーズ。

30m無回転シュートは無理だとしても、都農はタレント揃いなので、数的不利だろうが決めきる力は十分。

そう考えていた後半立ち上がり、都農が追いつきます。ワンチャンスを逃さない強さは本物。都農の選手が、サポーターの声援をあおります。

一方の刈谷サポーターは慌てることなく応援を続けます。

数的優位なので、サイドを崩す意図は見えますが、シュートまで持っていけません。

膠着状態になりかけましたが、刈谷は再び勝ち越し。

PA近くでボールを左右に動かす展開に都農が対応しきれずオウンゴール。

これを受けて都農は3枚替え。

その直後

刈谷のビルドアップにミスがあり、都農の中山雄希がPA外から左足一閃。豪快にネットを揺らします。再び同点。

ここからは一進一退の攻防。

刈谷は中盤の運動量が低下し始め、前線がプレスにいっても連動性が薄くなります。

かといって都農はむやみやたらに攻め込まず、タレント揃いのFWの一発に賭ける様相。

刈谷はシュートこそ打てていますが、決定機は少なかったです。都農を崩し切れず。

試合終盤になり、両チームとも最後の交代をしますが起爆剤にはならず。刈谷は、少しだけ焦りが見え始めます。セットプレーのチャンスも生かし切れず時間が経過。

後半ATでもスコアは動かず、2-2で引き分け。

「第三者から見れば」全社準々決勝らしい白熱の素晴らしい試合でした。

この後、PK戦となりますが、おれはPK戦を見ない主義(ブリオベッカ除き)。失礼ながら、皇子山に向けてレンタカーを飛ばします。

PK戦は刈谷が勝ち、準決勝進出&地域CLの切符をゲット。おめでとうございます。

エリース東京vsジェイリース

皇子山に着いたのは、前半5分ころ(キックオフ前の撮影はなし)

エリースが押す展開で、村田翔の「スイッチを入れるパス」が冴えわたります。

とはいえ、シュート数が少ないのが気になるところ。

完全に崩し切る前に、シュートを打ってもよさそうな場面がいくつかありました(後半も同じ)。

ジェイリースも、都農ほどではないですが、一発を決めきる力はあります。エリースはDFラインの上げ下げが良く、その力を出させず前半終了。スコアレスで折り返します。

後半。

目に見えて、両チームとも最終ラインでミスが目立ち始めます。刈谷や都農相手だと致命傷になるプレーも散見しましたが、どちらも決めきれず。決定機を迎えてそれを外す度に、お互いの監督がガックリする姿が印象的。エリースの山口監督は、攻撃面で芯がブレず落ち着いているイメージがあったので、珍しい光景。

どちらのチームも力を振り絞りますが、選手層の地力で勝のはジェイリース。

後半AT突入直前に放ったシュートは、ポスト直撃。会場は大きなどよめきに包まれます。

結局、お互いに決定機を生かしきれず試合終了。スコアレスドロー。

この後、PK戦となりますが、おれはPK戦を見ない主義(ブリオベッカ除き)。PK戦はジェイリースが勝ち、準決勝進出&地域CLの切符をゲット。

この2試合のPK戦は嫌でも注目されるでしょうが、あくまでも80分の試合内容を注視すべきです。

第三者から見た全社3日目(準々決勝)

レギュレーションの特殊性から、第三者でも見る者を引き付けます。

2009年 J2第49節 甲府vs湘南 のように(リーグ戦51試合の49試合目。勝点で並ぶ3位と4位の直接対決。この年は3位が自動昇格。4位は残留)

特に 2022年の準々決勝 栃木シティvsブリオベッカ は、全社の歴史に残る試合でした。

どちらのチームも見る第三者をして「生涯記憶に残るフットボール」と言わしめ、

勝ったチームの熱狂的サポーター(おれ)に、ホームタウンへの引越しを決意させる ほどの試合でした。

少し先の話をすると、2026年以降は夏夏制となるため全く違うレギュレーションになることが想定されますが、まずは残り2日間の全社が無事に終わってほしいです。

 

そして地域CLでは、JFLにいるべきクラブの躍進を期待しています。

では