試合前日
朝晩は冷えるようになった11月上旬。
羽田空港から、乗客の少ない全日空機に乗って、夜の福岡空港へ降り立ちました。
適当な食事を済ませ、天神が近い大名のホテルにチェックイン。
最近の起床時刻である5時30分にアラームを掛けて、12時を過ぎてから就寝。
起きるにはまだ早い朝4時過ぎ、
連日仕事だったにも関わらず、目が覚めます。
楽しみすぎる現地観戦の朝を迎え、遠足前の小学生のような気分になっていました。
ベッドに入っても、全く寝れる気がしません。
朝のテレビがつまらなかったこともあり、5時過ぎにはチェックアウト。外は真っ暗。それでも食事をとって、特急かもめに乗車し、佐賀を目指します。
佐賀駅には、7時過ぎの到着。とりあえず、高架下の開いていた喫茶店でモーニング。今どき、全席喫煙可で昭和の名残を残す店でした。
モーニングを平らげた後、特にすることもなかったので、目的地のSAGAサンライズパーク陸上競技場へ向かいます。
スタジアムに到着
朝8時過ぎ、スタジアムに到着しちゃいました。
何もすることがなかったです。公園内を散歩する市民に対し、ポスターを使って地域CLの説明を行いました。無料で観戦できることを強調しても、あまり興味を示してくれませんでした。
しばらくして、ブリオベッカ浦安 球団代表の谷口さんが会場入り。
少し離れたところから大声で挨拶したところ、右手の拳を高々と挙げて応えてくれました。まるで、スタメンで出場する選手を見ているようでした。
覚悟ができている凛々しい表情をしていましたが、ポーズだけは↓を連想させました。
9時15分ころに、客席の入り口が開門。観客を入れる英断を下した全国社会人サッカー連盟には、心から感謝です。手指を消毒して、カメラ越しに検温を受けました。
8年前にJ1リーグが開催されたとは思えないような狭いコンコースを抜け、ゲートをくぐります。ピッチが見えただけで、高揚感が生まれます。何せ、ブリオベッカトップチームの試合を観るのは、9カ月ぶりとなります。既にブリオベッカの横断幕は、球団関係者により掲出されていました。
そこで、久しぶりに選手の親族の方 と再会。(親族の方には、1カ月前に暴力行為を被ったときの詳細も伺いました。当然、うちに非はなく、ご愁傷さまです、の言葉しか出てきませんでした…)
浦安ファン(兼ボランティアスタッフ)にも会って、お正月のような気分に浸ります。
キックオフ50分前になり、選手がピッチ脇でアップを開始。
メインスタンドだけ大きいスタジアム。20人もいない客席。2024年の国体に向けた体育館の建設現場も相まって、異様な光景に映りました。
ピッチ内練習が始まるころ、両チームのスタメンが判明。ブリオベッカは、だいたい予想通りでした。
対するFC刈谷。個人的に好きな選手であるセンターバックの鯉沼がスタメン。
この日の勝負に徹しているおれからすれば、出てほしくなかったですが…
キックオフ直前になり、FC刈谷の弾幕も掲示されます。サポーターが持参した幕も見受けられました。
今回の地域CL佐賀ラウンドは、新型コロナウイルス感染症対応として、ファン・サポーターはJリーグにおける厳戒態勢のルールを守らなければなりません。つまり、横断幕と拍手・手拍子でしか応援できません。キックオフが近づいても、スタジアムは静寂に包まれたままです。
例年の地域CL以上に、独特の緊張感がありました。
選手入場を迎えても、聞こえてくる音は、選手のかけ声と手拍子だけでした。
試合開始
ピンと張りつめた空気が変わらないまま、キックオフ。
…
ブリオベッカの立ち上がりが悪かったです。
3分には、FC刈谷が右サイド(浦安の左サイド)を崩し、エース・中野が決定的なヘディングシュートを放ちます。メインスタンド左側(前半は刈谷の攻める側)で観ていましたが、心の中で「やられた!」と叫びました。ボールはGK正面に飛び、事なきを得ます。
刈谷は、中野のポストプレーを中心に攻撃を組み立てます。セットプレーでのチャンスも多く、刈谷サポの手拍子による応援が、佐賀陸に響きます(器用なことに、いくつかのチャントを使い分けながら)。
FW福家や佐藤悠希が連動して仕掛ける攻撃に、ブリオベッカは四苦八苦。苦し紛れのクリアで難を逃れる場面が目立ちました。おれは、暑さも相まって、少しイライラしました…(公式記録では23.8℃)
サイドをドリブルで突破され、決定的なシュートを打たれます。クロスバーを直撃し、ゴールライン上で何とかクリア。
黒須婆さま大活躍!
短期決戦において重要な「運」は持っていると思いました。しかし、プレビューで危惧したように、ブリオベッカが大量失点するような試合内容です。
一方の攻撃は、シュートまで持っていけません。小島と周りの選手との距離感が悪かったです。時には、小島が相手4人に囲まれるシーンもありました。刈谷のセンターバック2枚(鯉沼と佐々木)は、速さ・高さ・連携がよく、ブリオベッカの前線は孤立しがちでした。
ただし、サイドの選手の空中戦では、ブリオベッカに分がありました。相手PA内で、ブリオベッカのウィングバックが刈谷のサイドバックに競り勝った場面では、思わず立ち上がりましたが、得点できず…
何とかスコアレスで前半を折り返したいと思いましたが、前半43分に先制点をあげたのは刈谷。
右コーナーキックから、最後に決めたのは鯉沼。おれは当然がっくり来ました。すぐにチームコールの手拍子をして、選手の切り替えを図ります。
このまま前半終了。ブリオベッカは1点ビハインド。
おれの中では、0-3くらいが妥当な試合内容だと思ったので、大きく落ち込むことはなかったです。
浦安の控え選手は、ピッチ上で「鳥かご」をしていましたが、すぐに2人がロッカールームへ戻ります。
交代が遅いことに定評がある都並監督が、早めに仕掛けます(それだけ、前半の内容が悪かったとも言えます)。
勝負の後半
交代で入ったのは、竹中と伊川。
竹中は5年前の刈谷戦(地域決勝)でハットトリックを達成しており、浦安ファンは否が応でもゴールを期待します。
竹中は最前線でドンと構え、小島は相手が捕まえづらいポジション取りに徹します。
伊川は、右サイドで富塚と良い連携を見せるシーンが目立ちました。
刈谷は、シュートを打てる場面が少なくなり、浦安の時間帯に入ってきます。
日差しがきつく、選手の足が重くなりかけた後半20分すぎ、この日のハイライトが訪れました。
サイドチェンジのボールを受けた左ウィングバックの吉田武史。
左サイドをオーバーラップしようとする小島にパスを出す。と思った矢先、
目の前のゴールネットが揺れていました…
おれにとって、想定外すぎるゴールを目の当たりにし3秒間フリーズしました。ゴールラインの延長線上にいましたが、声も出なかったです。信じられないようなスーパープレーを現地で観て、本当に言葉を失いました。
このようなプレーを例に出すと、野球では超特大ホームランが当てはまります。熱狂的な阪神ファンですら、一瞬静まり返っています(昨年の話)。
試合後のツイートでは、「ロベカルが降臨した」とつぶやきましたが、改めて動画を観ると、スピードはさほど出ていません。しかし、ボールの軌道の変化が凄まじかったのは、実際に確認できました。
ミドルシュートをセーブできず失点を喫した刈谷のGKは、山岡哲也。JFLのSP京都(佐川印刷京都)で84試合に出場。藤本憲明と同時に鹿児島ユナイテッドへ移籍し、J3では48試合、昨年のJ2でも1試合出場しています。
ブレ球の無回転ミドルは、十分な経験のあるキーパーであってもノーチャンスのゴラッソ。
J3のベストゴールと比較しても、遜色ありません。
ひとつだけ欲を言えば、ゴール裏からの動画を観たかったです。ボールの変化量が、いかに大きかったかを確認したかったです!
(メインスタンドからのカメラと、ゴール裏からのカメラで印象が変わったゴールは、2008年のJ1開幕戦の柏vs磐田です。そのゴールは2分30秒~ )
2008年 J.LEAGUE DIVISION1 ゴール集 第1節 (ニコニコ動画) メインスタンドからのカメラだと、GK川口がお手玉したように見えます。しかし、アウェイゴール裏からのカメラだと、大きく変化しているのが分かります。
芸術点を加点してほしいシュートでしたが、ひとまず同点に追いつきました。
ブレ球の無回転ミドルを打てる選手が、フリーキックを蹴らないことに疑問を抱きつつ、エレクトリカルパレードの手拍子をしました(ブリオベッカ公式Youtube 試合ダイジェストのサムネイルになっているシーンです)。ただし、立ち上がっての観戦は、禁止事項に定められています。 白状すると、このゴール以降は、ほとんどの時間で立って観戦していました。マスクをして、隣の人とは5m以上の間隔をあけているとはいえ…
エレクトリカルパレードの手拍子が終わるのとほぼ同時に、後半唯一の給水タイムになりました。
1つのスーパーゴールによって、チームの雰囲気はとても良くなります。
しかし、その雰囲気は長続きしませんでした。
浦安が攻勢に出る場面もありましたが、刈谷ペースで試合が進みます。
刈谷がボールを動かす時間、ブリオベッカの選手が全く声を出さないため、伊藤GKコーチから「声出せ!」という指示がベンチから出ます。おれの目には、選手が悲壮感を抱いていたように見えました…
刈谷がPA内に進入するシーンは、前半と同じくらい増えてきましたが、何とか跳ね返すブリオベッカの守備陣。
ブリオベッカは、カウンターでボールを前に運ぶも、決定的なチャンスは皆無。それでも、コーナーキックを得ます。
左コーナーキックのときは、おれがキッカーの村田翔に対して拍手で鼓舞します。すると、村田もファンの手拍子を「軽く」煽ります。これぞ、現地観戦の醍醐味。
このチャンスで得点は決まりませんでしたが、残り10分はカウンターの応酬。
刈谷のシュートを、ブリオベッカが何とか跳ね返します。刈谷がブリオベッカのPA近くでボールを回しているとき、笛が鳴ってドキッとします。その笛は、工事現場の重機を誘導するものでした。とても心臓に悪いです。
後半AT直前には、「舞浜のメッシ」小島が、PAのギリギリ外で倒されて、フリーキックのチャンス。PA左角の隅なので、直接狙うこともできます。おれ自身は、この時点で興奮していましたが、村田の蹴ったボールは枠の上を超えてゴールならず。
3分間の後半ATでも、両チームゴールを決めることはできず、1-1の引き分けとなりました。
ブリオベッカからすれば、何とか勝点1を拾ったといえる試合内容でした。
試合後
手拍子・拍手でしか応援できなかったので、おれ自身も、もどかしさはありました(必然的に、いつもの試合レポートに比べて、観客席の雰囲気を伝える文章は少なくなりました)。
しかし、このような重い意味を持つ試合を現地観戦できたことは、本当に嬉しかったです。しかも、球団史に残るようなスーパーゴールが観れました。
もう少し余韻に浸りたかったですが、沖縄SV vs SRC広島のキックオフまで1時間を切っていたので、一旦スタジアムから退出。
外に出ても、ブリオベッカの選手の様子を垣間見ることができ、クールダウンに向かったり、食事を取る様子が分かりました。
スタッフは、給水タイム等で使用したペットボトルの仕分け作業を行っていました。その中に、都並監督の姿もありました。(現在の)球団には、「偉ぶっている人」はいないことが分かる象徴的な光景です。しかし、Jリーグへ参入したいのであれば、体制を強化しなければなりません…
第2試合の沖縄SV vs SRC広島は、前半だけ観て、おれだけ当日中に帰宅しました。
今回の旅行グルメをおさらい
昨年10月にも、福岡市で1泊しました。しかし、前後の行程が無茶無茶だったので、うどん1杯しか食べれませんでした。
そこで、今回はグルメも楽しみました。紹介すると、
地域CL敗退から1週間経って
地域CL敗退直後に呟いたときの気持ちは、今も変わらないです
地域CL決勝ラウンドの個人的希望を書けば、FC刈谷と栃木シティに昇格してほしいです