齋藤芳行監督、ありがとうございました。

齋藤芳行監督 解任のお知らせ
ミスターサイトーを初めて見たのは、平成26年9月だった。
関東1部リーグのvs東京23FC。場所はなぜか東総。
スコアレスドローということもあり、「そのときは」存在感がさほどなかった。
そして、次に見たのは
関東サッカーリーグⅠ部後期9節対VONDS市原
「頭の光り輝く」ミスターサイトーが「魅せた」試合だった。
代名詞の「廊下!」は至近距離で聞けたし、
1点リード時に、市原のCBがボールを保持したときの
「いいボールを蹴らせるな!」×3という絶叫系指示は、今でも耳に残っている。
この試合で関東リーグ優勝を果たし、地域決勝1次ラウンドに進出。
しかし、初戦のvsFC大阪で玉砕。翌日はvsFCガンジュ岩手
おれが声出しを始めたのは、この試合から。後半半ばに、清水康矢が大怪我。そのときピッチにいた19番のFWは、自分の足を伸ばすことに必死。声出しエリアの中で、「両足を攣っている竹中を何故代えないのか?」なんて話していた後半ロスタイム。


その竹中がゴールを決めた。この試合以降、「選手を我慢して起用し、育てることのできる監督」というイメージを持つことになる。
しかし、その翌日はワイルドカード争いに負けて(しかも、後半はノーゴール)、1次ラウンド敗退。
「ときどき、理解不能な采配をしてしまう」レッテルを貼られることに…
直後の決勝ラウンド。おれは、低いテンションで観戦していた。最終戦の終盤は、スタンドの下でボーっといた。試合終了のホイッスルが鳴った直後に関係者出入り口から、「頭が黒光りする男」が出てきた。おれはその男に「来年こそ、この舞台で昇格しましょう!」と言ったところ、「ありがとう!」と返してくれた。
その翌年。圧倒的攻撃陣&体を張った守備&スーパーセーブ連発のGKの活躍で、浦安は見事JFL昇格を果たす。おれは残念ながら、関東リーグで優勝した日も、JFL昇格が内定した日も、スタジアムへ行けなかった。
JFL昇格が内定した2週間後のJFLチャンピオンシップ@ユアスタ
「下から目線で」JFLチャンピョンシップ
この日の関係者席には、ミスターサイトーの姿があった。厳しい戦いになるであろう「JFL初年度」に対する強い意気込みが感じられた。
そのJFL初年度。
開幕3連敗、5月中旬~6月の6連敗など苦しいシーズンだったが、9月25日のvsマルヤス岡崎(アウェイ)で劇的勝利を収め、残留決定。
リーグ得点王がいないなら…
しかし、この試合(特に前半)は、サンドバック状態。Honda FCやソニー仙台が相手ではないのに…
GK中島があたっていなければ、前半だけで0-3になってもおかしくなかった。
「こんな守備組織しかつくれないのであれば、シーズンオフで任期満了でもいいのでは?」と感じさせた。
この年のシーズンオフ。GK永井、MF村田、FW竹中etc多くの主力選手が退団。
12人の退団選手
FW池田も退団して、「残留争いに巻き込まれる可能性が高い」平成29年のシーズンが幕を開けた。
その開幕戦。残留争いのライバルになるであろう大分に乗り込んでの試合。
後半立ち上がりに南部が貴重な先制点を挙げる。しかし、「追加点を狙って」CB篠原に代えて清水康矢を投入。CBには富塚が回ったが、さらに押し込まれる。結果は追いつかれてのドロー。この試合から、浦安の歯車がかみ合わなくなる…
結果、今年のファーストステージ15試合で得た勝ち点は9。当然最下位。下位5クラブとの直接対決は、2分け3敗…
深刻な得点力不足が如実に現れている(現時点の得点王は、南部とCB笠松の各2点)
GKの抜けた穴は、適格な補強ができたけど、村田と竹中の補強ができたとは言い難い。
なので、(チームの練習環境や労働環境、住居環境はJFL平均レベルにも関わらず)いい選手をそろえられなかったことが1番の原因。しかし、「開幕戦のようなミスキャスト」や「(低迷にも関わらず)先発の固定化」を見る限り、解任も仕方ない…というのがおれの意見。
ここで、齋藤芳行監督の長所と短所を挙げると
長所
・廊下から相手を崩す理想のサッカー像がある
・それに傾ける情熱は、人一倍ある
・「お眼鏡にかなう」選手は、我慢して育てることができる
・どのカテゴリーでも、育成能力は、ある程度ある
・チームに規律を持ち込むことができる
・特長ある外見と、絶叫系指示で「一部ファンから隠れた人気」が出る
・審判批判はしない
・ファンには、すごく優しい
・足元のテクニックがある
短所
・理想のサッカー像に固執するあまり、選手起用が偏るケースも
・基本的に、「相手のストロングポイントを消す」サッカーはできない
・年1回ペースで「どんでもないミスキャスト」をやらかす
・年1回ペースで試合中にフリーズする
・指示が分かりやすすぎる故、相手に対策を取られやすい
・試合中に選手批判をしてしまう
なので、次の就職先として、
「選手の育成を重視する」「チームに規律を作りたい」ところは、うってつけといえるだろう。
即結果を出してほしいところはNGだけど、何が何でも浦安に勝ちたいチームなら、ありかもしれない。
今後のチームに期待することも書きたかったけど、とりあえず齋藤芳行前監督へ伝えたい事を書いて締めとする。
おれが、2013年夏ころに無所属になって1年数か月が経ってから、浦安SCを観戦し始めました。(声出しファンとおれの考えが近かったことが、1番の要因ですけど)齋藤さんが浦安を率いていなければ、このチームを期限付き移籍で応援することはなかったはずです。
あなたがいなければ、浦安がJFLに昇格することもなかったでしょう。残念な面も多々ありましたが、「ブリオベッカ浦安」というチームが存続する限り、齋藤芳行という名前は数々の伝説とともに、名リーダーとして語り継がれることでしょう。
最後は残念な別れ方となりましたが、天皇杯vs柏レイソルのように、ファンを熱く応援させるようなチームを創り上げた功績があることは忘れません。(おれのサッカー観戦数は300試合を超えますが、あの日の日立台で、最も熱い応援をしました)
今後も「めい監督」として活躍を期待しています。個人的には3年弱の期間、ヤマさんやssismさんのように長話をできなかったのが少し心残りですが、本当にありがとうございました!