2014年ベストゲームを振り返る(2)

 最近のブログで、昨年観戦した試合の中でベストゲームを振り返ってみた。
 おれのサッカーの価値観が変わった「HondaFC vs ホンダロック」戦である。
 しかし、もう1試合だけ取り上げたい試合がある。
 その試合は東京都社会人サッカーリーグ2部 2ブロック第10節「アローレはちきた vs スペリオ城北」@赤羽スポーツの森公園競技場(赤スポ)である。
 東京都社会人サッカーリーグ2部は全42チームが3ブロックに分かれ(14チーム×3)、各チーム総当たり計全13試合が開催される。
 各ブロックの優勝チームのみ東京都1部に昇格できる。2位は自動残留である。
ちなみに、昨年の2ブロック上位3チーム 13試合中9試合消化時点での成績は以下の通り。
青梅FC     8勝 1分 得失点差+48
スペリオ城北   8勝 1分 得失点差+48
アローレはちきた 8勝 1分 得失点差+25
 この3チームが群を抜いて強い!!(東京都2部の強豪チームが全て同ブロックに入ってしまったからであるが…)
 
 ラスト4試合は、1つの勝敗どころか1つの失点が運命を左右する状況であった。(見てのとおりだけど)
 3強の直接対決はこの時点で行われておらず、最初の直接対決が「アローレはちきた vs スペリオ城北」であった。
 両チームとも、都2部(J8)リーグに所属しているが、共に地域密着を掲げJリーグ参入を目指している。
 入場料は無料だが面白そうな試合と感じ、9月上旬のまだ暑い時期に、試合会場の赤スポへ向かったのである…
 競技場に着いて、まず両チームのファンが目に入った。
 スペリオファンはもちろん、アウェイのアローレファンもかなり多い!!30人はいる。
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 アローレは、試合開始15分前に選手サポーターが一緒に円陣を組んだ。
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大人数で迫力があり、この試合に賭ける意気込みがひしひしと伝わってくる。
 スペリオのファンも大きな声で一通りコールをして、直後に選手が入場してきた。
 このときメインスタンドで写真を撮影していたが、(赤スポ特有の)選手との距離の近さに興奮していた。
 安いデジタルカメラでも、この通りである!
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スペリオ
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アローレ
 試合が始まると、両チームのファンが数十人単位で応援を始めた。Jリーグのような威圧感はないかもしれないが、サッカー好きなら誰でも輪に入れそうな温かみがある応援だと思った矢先、
 アローレがPKを獲得した。
 これをアローレのキング橋場が冷静に決めてアローレ先制!!!!

 スペリオは先制されたが、ファンに悲壮感は一切ない。
 その後は、ビハインドのスペリオがボールを支配しだした。
30分過ぎに司令塔No.10成岡が、ペナルティエリア外からシュートフェイントで1人かわして、利き足ではない左足のコントロールシュートでネットを揺らす。スペリオ同点!!

 このプレーが象徴的だったが、有料試合にしてもおかしくないようなレベルの高いプレーが多かった。都リーグ恐るべし…

 その勢いのまま、後半立ち上がりにスペリオが逆転する。
 
 アローレにとっては嫌な展開だが、こちらのファンも悲壮感はない。懸命な応援が続いた。
 その我慢が実ったか、残り10分でアローレのキング橋場が流れの中からゴールを決めた!!
 これまでの9試合で2点しかとられていないスペリオにとっては、この試合痛恨の2失点目で同点になった
 失意のスペリオファンを後目に、勢いづくアローレファン。橋場の応援歌で、がぜん盛り上がる。
 そんな中、スペリオのキックオフで試合が再開した。
 10秒後アローレボールになったが、すかさずスペリオNo.5稲畑が奪い返す。
 ペナルティエリアに進入して、強引にシュートを打つ。アローレのDFに当たってこぼれたボールを、詰めていたNo.7渡邉がネットを揺らした!!!!

 歓喜に沸く赤スポだったが、副審の旗が上がっている!!
 まさかのオフサイド判定に騒然とする赤スポ。おれの横で観戦していた、スペリオ某選手のお母様も明らかに不満そうであった。
 ただ、この幻のゴールを境に同点ゴールの雰囲気が一変した。アローレの勢いが影を潜め、五分五分の展開になったのだ。
 
 
 スペリオが敵陣深い位置でスローインを得て、クロスを上げた。アローレの中途半端なクリアをスペリオNo.13稲見がオーバーヘッドで前に折り返す。ゴロのボールをアローレのキーパーが難なくキャッチ
する前にスペリオNo.17原田がかっさらい、ゴールを決めた。残り5分で「今度こそ」スペリオ勝ち越し!!

(サイドバックなのに最前列にいて)ゴールを決めた原田が、一目散に監督の元へ駆け寄る姿
300人のファンが一体となって、劇的な勝ち越しゴールを喜ぶ光景

おれは、Jリーグでもなかなか見られない「幸せなスタジアム」に立ち会えた。
 アローレの選手・ファンは諦めずに奮闘するも、そのまま試合終了。
(この試合のダイジェストはyoutubeでも観られる)
 
 試合後は、アローレの選手に、スペリオのスタッフからは惜しみない拍手が、ファンからはチームコールが送られた。
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 アローレのスタッフも、スペリオの選手に拍手を送り、アローレのファンもスペリオコールをしてくれた。
 
 両チームのコールリーダー(要は応援団長)が、それぞれの応援席にあいさつに行く光景も見られた。
 ノーサイドの精神をうかがい知ることができ、充実した思いで赤スポから去った。
 その後の両チームであるが、
 アローレは、青梅FC戦にも敗れてしまい昇格に失敗。GM(強化責任者)はスペリオ戦で非常に悔しい思いをしたことがキッカケとなり、ビックネームの
 ベルマーレOB野口幸司氏を監督に招聘し、今シーズンを迎える。
 スペリオは、青梅FC戦に600人(4つ上のカテゴリー並みの数字)の観客を集めて引分け、最終戦のFC.fasciner戦でマンガでもあり得ない結末を迎えることになる。(昨年11月3日のブログを参照)
 おれは、今年もベストゲームが行われ、サッカー観戦の好きなファンが増えていくことを期待している。
追記:
昨年観戦試合の中で、ベストゲームではないけど、忘れられない試合がある。
それは、
全国地域サッカーリーグ決勝大会 1次ラウンド 浦安SCvsガンジュ岩手

である。
この試合については、特に投稿しないので、浦安サポのブログのリンクを貼らせてもらう!!
死闘と尊い犠牲の果てに
全員でつかんだ勝利 大きな代償 浦安SC VS ガンジュ岩手