浦安市で初開催となった、ブリオベッカ浦安vs東京23FCの「江戸川ダービー」は、(公式発表で)観衆が1,700人だった。ありがたいことだ。(おれは、Twitter上で2,000人超と書いたので、その点は陳謝する)
試合前の話から始める。
いつもの試合だと、開門前は牧歌的な雰囲気だ。しかし、東京23サポーターが多数来てくれたので、けっこう賑やかだった。
かなり暑い中開門となる。開門直後も、東京23FC応援席のほうが、人の入りはよい。
「ULTRAS23」などの巨大弾幕も掲げられ、
こんな白弾幕まで登場した。
地域リーグなのにJリーグっぽくて、なかなかカッコいい。
片やブリオベッカ浦安側。
ファンが作った、弾幕が初登場した。ピッチではなく、コンコースの中に掲げられたものは、
なぜこんな弾幕が登場したのかというと、今月上旬、山形のスタジアムでこんなことがあったからである。
今日、スタジアムに来ていた仲間がスタジアム駐車場で倒れて搬送先の病院で亡くなりました。
その方はマリノスの勝利の為に応援しに山形に来てたと思うので、精一杯応援して勝って帰りたい。
今日は一人でも多くのマリノスファンの人に同じ思いでいて欲しいです。
— ひろあき (@hiro_aki_tter2) 2015, 5月 2
横浜帰ってきました。
想像以上の反響で驚いてます。
その中で、熱中症ってのも自分は確実な情報としては貰ってないです。
ただ、体調管理に気をつけるって意味ではそこらへんに今後注意しながら応援していきたいと思います。
— ひろあき (@hiro_aki_tter2) 2015, 5月 2
………ダービーとか煽ると、普通のチームは「絶対に負けられない戦いがそこにある」みたいな文章になる。
そんなシチュエーションなのに、こんな弾幕を出したのは、浦安らしいといえる。
浦安ファンは基本的に、試合を「競技というより興業」と考えている。
(後に、別のサポーターが「心臓を捧げよ」という紙を出したので、カオスになったが)
心臓を捧げよのネタ元:【進撃の巨人】の心臓を捧げよのポーズが流行っている!!
試合開始直前になり、メインスタンドは満員御礼となった。日差しがきつかったが、すぐそばの海から、強風が流れ込んでいて、気温の数字より暑く感じることはない。
浦安側に座っているサポは、チーム初のコレオ (配布されたボードを、観客が前面に掲げること。色合いを工夫することで、見た目を美しくできる) を実施する準備を進めている。
東京23サポは、選手入場前から応援歌を歌い、気勢をあげている。
選手が入場していきた。
浦安側のコレオは正直ビミョーだったが、大勢の人が協力したことに意義がある。
一方東京23サポの声量は、さらに高くなる。さらに、「vs浦安戦」専用の応援歌を披露した。(浦安だーけにはー 負―けられなーい おれたちのちかーら 見せてやろうぜ!)
浦安サポは、通常とおりの応援歌を歌う中、試合開始。
東京23FCの選手の出足がいい。それでも、浦安は決定的なチャンスを作らせない。
浦安のチャンスは、セットプレーくらいしかない。
シュート数は、東京23FCのほうが多い。
それでも、浦安ファンに悲観的な雰囲気はない。サポーターの近くにいた子どもは、応援歌を口ずさんでいる。
前半38分、浦安がペナルティエリア近くで直接フリーキックのチャンスを得る。子どもたち数人が、「コーナーキックのチャンス時に歌う応援歌」を口ずさむ。サポーターは、要望に応えて!?その応援歌を始めた。その結果、
先制点ゲット!!(゜o゜)
キッカーの村田が、ファーサイドに速いボールを蹴る。それに合わせたのが、慶大ソッカー部キャプテンを務めた笠松亮太!ドンピシャヘッドで、ゴールネットを揺らした。
浦安応援席は、お決まりの「エレクトリカルパレード」を歌って大盛り上がり。
その直後、東京23FCが決定的なチャンスを迎えるも、キーパー永井が神がかり的セーブを見せる。浦安応援席は息つくひまもない。
前半は、このまま終了。
後半立ち上がりは、東京23FCが攻勢を強める。
シュートを多く打ったが、枠外も多い。浦安は、なんとか無失点でしのぐ。
時間が経つにつれて、浦安はカウンターの機会が多くなる。しかし、決定的なチャンスをを作れない。
暑い中飛ばしてきた影響か、両チームとも、シュートを打つシーンが少なくなる。東京23FCは、攻撃的な選手交代でゴールを狙うも、状況が激変することはない。
このまま、後半ロスタイムに入る。浦安は攻める姿勢を弱め、ゲームを締めにかかる。
東京23FCのサポは、懸命な声援を送る。浦安の応援席は、手拍子をする人が増え、少しずつ一体感が増していった。
そんな雰囲気に満足しているうちに、試合終了。素晴らしい試合内容ではなかったが、江戸川ダービーは、ブリオベッカ浦安が制した。
そのホイッスルが鳴った数秒後、
夢の国から、祝砲の花火が上がった。
あまりに出来過ぎた話だが、ホントのことだ。
試合終了後、東京23の選手が、浦安ベンチへあいさつに向かう。(地域リーグでは当たり前の光景)
浦安ファンは、いつも通り敬意を表して相手チームのコールをする(地域決勝でも同じ)
すぐに、東京23FCファンからもお返しのコールがあった。
一見当たり前に見えるが、おれは感動した。
ライバルチーム相手に試合を落とした直後、お返しできる東京23FCファンの器の大きさは、称賛に値する。
浦安の選手・監督は芝生席へのあいさつを終えて、メインスタンドへあいさつを行った。
浦安ファンは応援歌を歌って盛り上がったが、本田大雅選手と土屋智義選手が前に出て喜びのダンスを披露してくれた。
おかげで、浦安ファンは大盛り上がり。
今日の浦安応援席は、悲壮感が全くなく、終始いい雰囲気だったと思う。
箇条書きでよかった点を列挙すると、
・チーム初のコレオに協力してくれる人が多かった
・子どもたちに応援歌が浸透し始めている
・みんなで「エレクトリカルパレード」を楽しめた
・試合終盤になると、手拍子してくれる人が増えた
・変な罵声は全くない
・スリル満点の試合展開だったが、悲鳴もほとんど起きなかった
とにかく、一見さんにも大いに「ブリオベッカの試合」を楽しんでもらえたと思う。
スタジアム前で、選手がお見送りするイベントも、多くのファンが参加して賑わった。
選手にねぎらいの言葉を掛けるファン
選手にサインをもらうファン
多くの選手と握手するファン
おれもそんなファンに混じって、浦安陸で初の完封勝利に大きく貢献した永井選手の写真を撮影させてもらった。完璧な仕事を終えた後の、いい表情だった。
充実感を覚えながら、舞浜駅に向かう途中、
「チャンスは多かったのに」「いいサッカーをしていたのはうちだよ」
なんて会話が聞こえてきた。
振り返ると、
キャリーバッグを引いて、スタイルが良くて、お揃いのきれいなスーツを着て、
ネクタイの色を見てすぐに分かった。
東京23FCの選手だ。
特に声も掛けなかったが、浦安と比べて待遇がいいことを悔しく思った。
参考:5月3日更新のチームブログ(笠松選手)
レベルの高い選手、環境がいいクラブ、そして何より
熱さとリスペクト精神を兼ね備えたサポーター
そんな東京23FCと、今度こそ首位争いという形で、
4か月後の舞浜決戦を迎えたい。
ちなみに、次の浦安陸開催は、7月26日13時~ ブリオベッカ浦安vs tonan前橋 である。また、みんなでブリオベッカのサッカーを楽しもう