カープの応援団長だった【かりべやすお】さん

前のブログで書いたとおり、2007年8月24日以来、おれはカープファンになった。
年間で10試合も観戦しないが、「強烈な印象が残っている試合」もある。
2009年6月11日の 千葉ロッテvs広島カープ(マリン) だ。

この時期のカープは好調で、交流戦の総合順位でも2位につけていた。
しかし、カープ先発の大竹が3回持たずにノックアウトされる。

対照的に、ロッテ先発の清水直行は好調だった。点が取れない。
そして、「運命の」6回裏ロッテの攻撃を迎えた。カープは敗戦処理のピッチャーが出てきた。
この回の攻撃を端的に書くと
「打者二巡」「攻撃時間48分」
「15得点」
カープから見れば、ただあきれるしかない展開だった。しかし、カープファンが集まるレフトスタンドからは、何一つグラウンドへ物の投げ込みはなかった。
三塁側フィールドシートから、メガホンが1つ投げこまれただけだ。
ここまでマナーを守れるファンは立派だと思う。
そんなこんなで、9回表カープの攻撃を迎えた。
スコアは2-23
カープが満塁ホームランを5本打っても追いつかない点差である。
ファンもちらほら帰る中で、応援のリードを取るのは、「かりべやすお」さんだ。
カープファンに密集を呼びかけ、集まったところで
卒業式応援を決行した。

俺たちは
絶対に
諦めない
何故ならば
カープが大好きだから

この時の応援は、絶望的な状況と思えない迫力だった。
結局、1点も取れずに試合が終わったが、この応援に対しカープの選手からも反応があった。
その選手は石井琢朗だ。
あきらめない(石井琢朗ブログ)

ブラウン監督も、試合後の会見でこのような名言を残している。

きょうの勝者はレフトスタンドのカープファンだ。チームは負けたけど彼らは間違いなく勝った。

かりべさんは最近になって、Twitter上で当時の心境を振り返っている。


そんな かりべさんだが、2015年シーズンをもって「おやすみ」することが発表されている。
カープの応援団「緋鯉会」総代表が活動を休止した理由とは?苅部安朗~カープと歩んだ23年間~
残念ながら「おやすみ」という形になった。若い優秀な応援団員もいるが、かりべさんは特に以下の2点については功績が大きい。
・悲壮感や使命感を前面に出さず、コアではないファンの力を最大限出す
・負けることが多いチームでも、応援だけでファンを増やす

おれ個人としては、自然体でありながら最大限の力を込めて応援できたと思う(もちろん、他の人が先導するときも、大きな声を出して応援できているけど)。
(会話なんて一言もしていないけが)また球場で見たい人物だ。
(間接的に)おれを、弱いチームのファンにさせた人物の1人なので、恨んでもいるけど。

(参考)かりべやすおさんのインタビュー記事
【広島】緋鯉会“総代表”かりべやすお『応援団は、負けても「応援は楽しかった」と思わせるのが大事』【カープファン列伝】(かーぷぶーん⊂( ●▲●)⊃)