今年のJFLも残り試合が少なくなってきた。
今週末から、各チームは最終節まで6週連続の試合に臨む。その流れを左右するであろう初戦。
ブリオベッカは、アウェイ奈良戦に臨んだ。
おれは、キックオフ直後に到着したが、浦安応援席には数十人が駆け付けていた。
その多くは、スポンサー関連で応援に来てくれた関西在住の方々。平均年齢は…だけど、「女子パワー」で選手を後押し。
しかし、奈良サポの応援は想像以上だった。アップ中の岡山選手が、サポを煽ったり、応援歌に合わせて頭の上で手拍子するなど、「奈良劇場支配人」を謳うだけのことはある。
それがピッチ上に伝染したか定かではないが、先制点を挙げたのは奈良。コーナーキックから。
直後、浦安の選手たちが明らかに意気消沈。選手たちの連動がバラバラになってしまう(先月と微妙にフォーメーションが違うとはいえ)。
声出しとしては、励ます内容の応援をすればよかったかも…
さらに、コーナーキックのピンチから、奈良が追加点を上げる。
(浦安は、直近3試合で、コーナーキックから5失点)
さすがに、浦安の声出しは悲壮感を漂わせる。奈良は、浦安の反撃を軽くいなして前半終了。
ハーフタイム中、浦安応援席はびっくりするくらい会話が少なかった。その間おれは、「開き直った応援」を想像していた。
勝負の後半。浦安の声出し隊リーダーは「何が起こるかわからないから、やれるだけやりましょう!」と応援席に呼びかける。
奈良はもちろん、浦安も選手交代はなし。柴田監督の采配は意外に思えた。
開始してすぐに、浦安がコーナーキックのチャンス。幡野が蹴ったボールは、浦安の選手にドンピシャ。ヘディングシュートが決まり、反撃の1点を挙げる。(後で調べたら、後藤虹介の移籍後初ゴール)
この得点(失点)で、奈良は慌てふためいているように感じた。国体で2日連続試合の影響があるとはいえ。
浦安は、中盤からFWにいいボールが出るようになる。FWが前を向いてプレーする機会も増え、富塚や後藤虹介が1列上がったときの攻撃もよかった。浦安応援席のボルテージは、ぐんぐん上がる。
そのボルテージが急上昇したのは、後半20分。幡野から右サイドに流れていた菊島にボールが渡る。菊島は、老獪なフェイントで相手を1人交わして、ゴール前にクロス。
100点満点のクロスに、頭から飛び込んだのは信じて走っていた南部。見事なゴールが決まり、浦安が同点に追いつく!
浦安応援席は、エレクトリカルパレードで盛り上がる。声出し隊リーダーの先導で、「ミラクル、ウラヤス!」コールも発生。前半の出来を考えれば、ミラクルと言っても大げさではない。
その後も、浦安が優勢に試合を進める。奈良の応援席からは「キリカエ!」コールの連呼もあった。
浦安の惜しいシュートは何本かあったが、奈良も同様。決定的なヘディングシュートを打たれたときは、おれの体が震えた(ポスト様の活躍で事なきを得たが)。
浦安は「勝ち点3」を取るべく、柴田監督が勝負に出る。菊島に代えて多木利音を投入。
それに対抗するべく、奈良も選手交代。高さのあるFW岡山を最終ラインに入れた。明らかに多木対策だ。
直後、高く上がったボールに対して、その2人が競り合う。加藤主審は、岡山のファールを取る。岡山は不満そうだったが、主審は肘を使ったジェスチャーを示す。ジャンプする前の体勢をよく見ている。
この日の多木は、今までと少し違った。ロングボールの競り合いも強い。試合終了間際には、右サイドからのクロスに合わせ、いいヘディングシュートを放つ。これはキーパーに弾かれたが、途中出場の岡山がマンマークで付いていたことを考慮すれば、「悪くないプレー」と言える。
その流れで得たコーナーキックのチャンスで得点できず、このまま試合終了。
ブリオベッカ浦安は「最低限すぎる」勝ち点1を得た。
選手たちは応援席近くまであいさつに来てくれたが、前節とは比べものにならない「いい目つき」だった。試合が終わっても、闘争心があふれていた。
浦安の応援に来てくれた方にお礼を言って、スタジアムを後にしようとしたとき、
某主力選手のお母さまが、手土産を持って応援席に来てくれた。
そのお母さまは、アウェイ今治戦のとき、後半45分間ずっと応援席にいた。(もちろん、応援席に来てくれたことには感謝しているけど)この日応援席で試合を観なかった理由を尋ねると、「行きづらい感じだった」とのこと(苦笑い)
デメリットはあるかもしれないが当時よりも、声出し隊は応援に必死だった。悲壮感や使命感もにじみ出ていただろう。
今シーズンはどんな結末になるか分からない。しかし、この試合を観る限り、無抵抗のまま降格することはなさそう。
残り5試合、明確な目標に向かって悪あがきが始まった。
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