優勝より価値のある敗北

 サッカーは、競技者でなくとも喜怒哀楽を表現できる。
 基本的には、楽しい・面白いと感じることが多いが、時には残酷なスポーツと化す。
 昨日、赤羽スポーツの森公園競技場で行われた、「スペリオ城北」の東京都2部リーグ最終戦はその最たる試合であった。
 既に全試合を消化していた首位青梅FCの成績は、
   11勝0敗2分 勝ち点35 得失点差+62 である。
 スペリオ城北との直接対決は引き分けであった。
 スペリオ城北が逆転優勝(昇格)するためには、最終戦のFC.fasciner相手に9点差以上での勝利が必要であった。
 一見不可能な条件だが、ここは都2部リーグ(J8)である。前半は2-0でスペリオ城北がリードして折り返すと、後半立ち上がりに点を重ねて後半10分で5-0となった。
 このころになると、300人以上を収容したスタンドとスペリオの選手が完全に一体となっていった。


ものすごく素早い出足でプレスにいくスペリオの選手
少年たちが自然発生的にコールをする姿
サポーターの応援歌と一緒になって手拍子する観客

 どれも、Jリーグですらなかなかお目にかかれない光景だった。
 そして、残り15分でスコアは8-0になった。あと1点で優勝そして昇格である。
 
 ピッチの中の選手は満身創痍だった。
 
 脚を負傷して交代するのに、担架に乗る時間を惜しんで「片足跳び」でピッチを後にした#19磯部選手
 選手交代の際にダッシュでピッチを後にし、第4審判の近くで倒れこんでしまった#17原田選手
 
 スペリオ城北は手を尽くしたが、その後は本当にあっという間だった。
 8-0のままタイムアップ。
 結果、青梅FCもスペリオ城北も全日程を消化して
 11勝0敗2分 勝ち点35 得失点差+62(直接対決は引き分け)
 得失点差まで全く同じで、得点差で青梅FCが優勝&昇格。スペリオ城北は東京都2部に残留となった。
 タイムアップの笛が鳴ったとき、その場で動けなかったスペリオの選手
 残酷な試合後もチームコールを続けるサポーター
 相手へのコールも終わり、スペリオを応援してくれた観客にお礼を言うサポーター
 気づいたら、おれも目が潤んでいたし、ほとんどのサポーターも目が潤んでいた。
 これほどまでに「スタンドのサポーター・観客」と「ピッチ上の選手」が一体となった試合は初めてだった。
 2008年J1J2入れ替え戦で、あと1点が取れずにJ2残留が決まったベガルタ仙台以上に。
 最後に、この試合に携わったスペリオ城北の選手・関係者・サポーター・観客はもちろんのこと
 試合終了までゴールを目指し、遅延行為を一切行わなかったFC.fascinerの選手に感謝します。
 みんなのおかげで、漫画でもありえないような感動の試合となりました。

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