アスレティック・ビルバオvsAマドリード観戦記

昨年3月にロンドンでフットボールを観戦した話の続きである。
とても幸運だったアーセナル観戦
この後、ブダペストで2泊3日
すぐにバルセロナへ移動し、UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16第2戦を観戦。
この辺りのブログは、需要が少なそうなので割愛。
金曜日の午後に、スペインのビルバオに空路で到着。
目的は、アスレティック・ビルバオのホームゲームを観戦すること。
ビルバオは、バスク地方にゆかりのある選手もしくはバスクのクラブのカンテラで育成された選手しか所属していない。そのため、今までに在籍した外国人選手はわずか6名。プロビンチャ(予算や施設の規模などが小さな地方のスポーツクラブ)の理想として語られることが多い。
ビルバオ、ルーマニア代表DFを獲得…史上6人目の外国人選手が誕生(サッカーキング)
安宿にチェックインしたおれは、夜の繁華街へ出て、街を散策。
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中心部に近い広場で、子どもたちがボールを蹴って遊んでいた。この平和な光景を見たとき、おれまで幸せな気分になった。
この写真を撮影した場所から、ほど近いバルに入る。
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見事なまでに「アスレティック・ビルバオ」一色だ。
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おいしいツマミをいただきながら、カタコトで「明日の試合を見に行く」ことを伝えた。
すると、バルのオーナーは、「3-0で勝つよ!」と応えてくれた。
「そうなってほしいね」と返したが、半信半疑だった。
アスレティック・ビルバオの対戦相手は、アトレティコ・マドリード。
この時点のリーグ戦順位は、レアルマドリードよりも上の2位。おれが言うまでもなく強豪チーム。
どんな雰囲気になるか想像しながら、安宿に戻った。
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迎えた試合当日。
バスで1時間離れたところにあるサン・セバスティアンを観光した後、ビルバオに帰った。
車内には、フットボール観戦に行くであろうファンも見かけた。
ビルバオのバスターミナルに戻ってから、徒歩5分。
聖地サン・マメスに到着。
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このスタジアムは、市街地のすぐ近くにあるのが大きな魅力だ。
(広島でいえば、旧広島市民球場の場所。仙台でいえば、勾当台公園)
なので、スタジアムの周辺はバルも多い。
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観戦するファン・サポーターはある程度「出来上がっている」ので、元気がいい。
多くのファンが入場したのを見計らって、3日前に入手したチケットを持ってスタジアムに入る。
チケットの席を確認したところ、何と最前列だった。
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客席に被る屋根を見上げると、かなり大きい。暴風雨でなければ、観客が雨に濡れることはないだろう。2013年完成のスタジアムらしい設計だ。
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スタジアムの中には、「バスク州の州旗」がいくつも掲げられている。
詰めかけた観客は39,659人。首都の強豪クラブをやっつけることを期待したムードになったところで、選手入場。そして、キックオフ。
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ビルバオは、組織的な守備でA.マドリードに対抗。決定機はつくらせない。変な位置でファールをしない「粘り強い守備」ができている。
サポーターのごく一部は、旗を振って声出し応援をしているが、それも散発的。
その分、ワンプレーワンプレーに対する反応が大きい。レプリカユニフォーム着用率が高いこともあり、「選手と気持ちを共にする」気概を感じる。おれとしては、イングランドでの試合同様、観客へのストレスを全く感じない。
前半は、スコアレスで終了。
後半になると、ややオープンな展開になる。
ビルバオにも決定機が出始め、観客のテンションも、ぐんぐん上昇。
勝ち点3がほしいA.マドリードが攻め疲れたとき、サン・マメスから轟音のような歓声が生まれた。
後半28分、イニャキ・ウィリアムズの先制ゴールだ。
先制点が生まれて立ち上がったとき、おれは左ひざをコンクリートブロックにぶつけて、少し痛めた。
ビルバオ初の黒人選手(両親はアフリカ出身でスペインへ移民、ウィリアムズ自身はビルバオ生まれ)は、
エンブレムを叩いて、サポーターにアピール。映画のようなシーンだった。
こうなると、「サン・マメスの魔物」が出現するゲーム展開だ。
A.マドリードは前がかりにせざるをえない状況だが、同点ゴールを決めることができない。
後半40分には、ビルバオが決定的な2点目をゲット。
スタジアムは、狂喜乱舞の状態になる。
このままのスコアで試合終了。2-0でアスレティック・ビルバオの勝利。
ナイスな試合だった。

聖地・サンマメスの雰囲気を味わえたことに満足して、おれは再び繁華街へ戻った。
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ファン・サポーターは勝利の美酒に酔いしれていた。
バルのオーナーは、最高の笑顔で、おれを出迎えてくれた。