「ディフェンディングチャンピオン」のホームに乗り込む試合。
ギリギリの成績で昇格を果たしたチームにとっては、間違いなく大きな「跳戦」
ファン・サポーターも気合いが入る。と言いたいところだが、
一部に限っては、スタジアムグルメに直行。ベガルタのサッカースクールが開催された影響で、行列ができていた。しかし、構わず列の最後尾に並ぶ。
キックオフ1時間前になって開門。それでも並ぶ。
選手がアップに出てきて、浦安サポにあいさつをしたようだ。それでも並ぶ。
選手紹介のアナウンスが行われているようだ。それでも並ぶ。
…JFLのスタジアムグルメを1つ買うのに40分以上並んでしまった。(ホームゲームではあり得ないこと。ジャマイカキッチンのオルハさんでも10分以上並んだことはない)
食べ物を買った後、スタンドの入口で、1人のサッカー選手とすれ違った。
JFL得点ランキング2位・ソニー仙台のNo.10 有間選手だ。
キックオフ直前なのに、この場所にいるということは、当然ベンチ外。
有間選手とすれ違ったとき、おれは↓みたいな表情をしていただろう。
とはいえ、ソニー仙台の選手層はリーグ随一。浦安が有利とはいえない。
スタンドに着いたところで、1年半ぶりのスタジアムグルメを食す。
「唐揚げの一歩」である。
メニューは写真に写っている「唐揚げ」と「弁当」のみ。
ジューシーな肉を食べながら、スマホでスタメンを確認。
その後、ソニー仙台のコールリーダー(木村さん)が挨拶に来てくれた。おれは、口に含んだ状態で対応してしまった…ごめんなさい。
唐揚げを食べ終わった直後に選手入場。
いつもなら、浦安サポはこのタイミングで何かしらの応援歌を歌う。
しかし、今日はナシ。鳴り物が使えないこともあるが、
歌とコールはなし。拍手と声援のみ。
応援の原点に返る予定だった。
ただ、ソニー仙台のアナウンサーが秋葉勇志の100試合出場をアナウンスしてくれた。この場面は例外として盛大に「秋葉」コールを送る。
その余韻が残る中で試合が始まった。
予想されたとおり、ソニー仙台がボールを保持する展開。しかし、それは浦安も織り込み済。決定機は作らせない。浦安サポは「いいぞ!」とか「その調子!」と声を張り上げる。
これなら大量失点はないと思った矢先、竹中がキープしようとしたボールをソニーのDFがクリア。しかし、そのクリアは中途半端で、それを素早く拾ったのは富塚隼。やや右のペナルティエリア外から迷わずシュート。バーに当たったボールは地面に跳ね返り、豪快にネットを揺らした…
ブリオベッカ浦安先制!ジュニアユースから浦安一筋の富塚は、JFL初ゴール!!
当然、浦安応援席は大爆発。「万歳三唱」が起こる。
ゴールの時間帯が早かったこともあり、この後ゲームの流れは止まった。
今日の浦安守備陣は、寄せが早く、決定機を作らせない。致命的なファールも与えない。
シュートを打たれても、中島はしっかりキャッチする。
特に、この日がJFL初出場となったセンターバックの高井 青の出来はよかった。またチャンスがあれば観たい選手だ。
攻撃に「掛ける人数を少なくせざるを得ない」状況だったが、前線はボールを必死に収める。ボールを取られてもすぐさま追う。
観ていて面白い試合展開に、浦安から遠路駆け付けた子どもたちも自然発生的にコールを始めた。
「ブリオベッカ」コールだけではない。「うらやす」コールだけではない。
コーナーキックのピンチ時は、1人の子どもが「ごーるをまもれーなかしま」を歌い始める。
…恐ろしい。「拍手と声援の応援」というより、コールリーダーがリードしない「無法地帯応援」の様相だ。
この流れのままで前半終了。
後半になると、ソニー仙台はロングボールをどんどん入れてくる。
最初は、少し焦っているのかな?と思ったが、
3,4分経ってもどんどん蹴って来る。
全国高校ラグビー宮城県大会が行われた影響で、ピッチが荒れていることを考慮したのだろう。
ソニーのストロングポイントであるバルサのようなパス回しではなく、ロングボール多用の戦術にシフトしてきた。
後半10分ころ、ゴールから距離があるところで、ソニー仙台がFKを得たとき、浦安の足が止まる。
それを見逃さなかったソニーは、すぐさまDFの荻原にパスを送る。テクニカルエリアに出ていた浦安・北埜GKコーチは「入ったぞ!」と声を張り上げるも、すぐさま浦安ゴール前へロングボールが送られる。
走りこんでいたボランチがドフリーでヘディングシュート。中島が懸命に飛びつくも届かない。ネットが鮮やかに揺れる。同点。
あまりにも無警戒すぎる。本当にガックリきた。。
これでソニーは勢いづく。浦安はボールを保持できても、シュートまで持っていけない。それでも、浦安サポは「前向きな声援」を送り続ける。
残り15分で選手交代。最初に動いたのはソニー。JFLのミキッチ・小泉に代わり、フィジカルの強いFW村田を投入。ロングボール戦術の色合いが濃くなる。
その直後に浦安も交代。富塚に代わって池田晃太。あくまでも勝ち点3を狙う。
この時間帯になると、浦安もボールが回り始める。コールリーダーが「Yes!」コールを先導するようなチャンスも何回かあった。
浦安ファンが盛り上がるシュートや決定的なクロスもあったが、決めきれず。
そうなると、今度はソニーの番。浦安の左サイドを崩して上げられたクロスは、FW村田純平がヘディングシュート。これが決まって、ソニー仙台が勝ち越し。
浦安は、南部を投入。後半ロスタイム直前には清水康也を投入。浦安サポは「まだ行ける!」「チャンスは来る!」「やり切ろう!」といった声援を必死に送る。
子どもサポが自発的に「清水康也の応援歌」を口ずさんだときは、全員が驚いた。
後半ロスタイムも含め、最後まで浦安の選手たちは「やり切った」が、運動量が明らかに落ちていた。ソニーが軽く「いなして」試合終了。
浦安は負けたが「跳戦」という意味では、いい試合だったと思う。同点に追いつかれたシーンを除いて。
選手があいさつに来てくれたときも「悲壮感」は感じなかった。次節のホーム八戸戦は、期待できるだろう。
ソニー仙台の勝利の儀式、「威風堂々」のラインダンスを見ながら、「いつかは追いつきたい」と気持ちを切り替えてスタジアムを後にした。
追記:
この日のような「無法地帯応援」は面白かった。子どもたちがあまり来れず、鳴り物NGの球技場なら今後も実施したいと思った。楽しい応援とは少し違うが、意思統一できれば素晴らしい応援になるだろう。
状況によっては、今後もいろんな応援の形を試したい。
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