はるかな小瀬 とおい空

おれが浦安のファンになってから3年弱、ついに天皇杯本戦へ出場の日を迎えた。
会場は山梨中銀スタジアム(山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場)。
Jリーグの試合以外で行くのは初めてだ。
試合当日、スタジアムへ向かう前に、ある場所へ立ち寄る。
その場所は韮崎市
対戦相手の韮崎アストロスに、少しばかりの表敬訪問だ。
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韮崎高校(有名なOBは中田英寿)
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韮崎駅前の銅像
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銅像の説明書き
…駅前にサッカーの銅像がある場所なんて、ほとんど無いはず。アストロスの活動といい、韮崎が「サッカー処」であることを伺わせる。
その後は甲府へ戻り、レンタサイクルを借りて試合会場へ向かう。
開門15分前に到着。
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Jリーグ開催時であれば、スタグルやグッズ売場が所狭しと並ぶが、この日は皆無。致し方ない。
開門となり、スタンドに入ると、
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山梨の雄大な山が出迎えてくれた。
浦安市とその周辺は「自然の山」が全くので、声出し隊のテンションは上がる(山形県人はそうでもなかった模様)
選手の試合開始前練習も終わり、
山梨県サッカー協会による選手紹介アナウンスも名前言い間違いはなかった。
リーグ戦と違い「主催者側」に演出要素がゼロ。無風の晴天も手伝って、選手入場直前は、異様な静寂がスタジアムを覆う。
選手入場時、浦安の声出し隊(ファンの集まり)は、鳴り物が使えない代わりに、


…アカペラでも、選手たちに想いを伝えることが大切だ。
太陽がピッチをまぶしく照らす中、キックオフ。
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前半立ち上がり15分は、何本かシュートを打たれた以外はパーフェクトだった。
最初のセットプレーのチャンスで、笠松の低空ヘッドが炸裂し、上松が久々のゴール。
声出し隊のテンションもぐんぐん上昇した。のに、
アストロスにPKを献上。しっかり決められて1点を返される。(事実上)ホームのアストロス関係者やファンが大いに盛り上がる。浦安ファンは、選手を鼓舞するような声援を送る。
その直後、25分に相馬が相手DFに競り勝ちゴールを決める。再び2点差に。
浦安の波状攻撃はまだ続く。
しかし、35分を過ぎると、シュートまで持っていけない。となると、存在感を増すのが
ミスターサイトー。
ボールを持っていないときのランニング(特にカバーリング)の指示(絶叫)が増える。
浦安ファンは久々に「まえだ!」コールを送ったが、前半はこのまま終了。
後半からは、都並智也を投入。
しかし、アストロスも「ブロックを作って守る戦術」をさらに徹底してくる。浦安は攻めあぐねる。
声出し隊が「イエス!」コールをする機会は少なくなる。
それと反比例するかのように、ミスターサイトーの絶叫系指示は増える。
浦安ベンチにいる「あのお方」は、どのような想いで絶叫を聞いていたのだろうか…
確かに、この時間帯は人もボールも動いていないように感じた。
それでも、時間の経過と共に、浦安がPAへ侵入する回数が増える。
後半20分過ぎには、南部がPA内でファールを受けてPK獲得。俊哉様がいないこともあり、自らPKを蹴って追加点を上げる。
そして、背番号11冷岡幸輝が公式戦デビュー。
早速、富塚のゴールをアシスト。よく周りが見えている。ただ、自ら打ったシュートはゼロ。2年前の俊哉様を見ているようだ。
最後は、浦安の声出し隊が開き直って「まえだ!」コールを繰り返したが、このまま試合終了。浦安が2回戦に進出。韮崎アストロスも、1vs1で浦安の選手をかわす場面も多くつくり、攻撃の引き出しの多さには感心させられた。
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韮崎アストロスvsブリオベッカ浦安 公式記録(JFAホームページ)
トーナメントなので、「勝てば官軍」だ。しかし、浦安のランニングの量と質は若干不満。リーグ戦のことを考えると…
もちろん応援は楽しかったし、スタンド退場口付近にいた選手たちからも笑顔が見られた。
それでもおれは、今後のハードな連戦を想像しながら、そそくさとスタジアムを後にした。